2009年9月26日

悪魔に魂を売る

上野の森美術館で始まった「聖地チベット」展を見に行ってきました。

いやー、面白い。たまりません。

行ったこと無いんですけど、チベットは大好きです。ほんの一部の地域にしか行ったことのない中国ですが、もしどこか中国国内で好きなところへ連れて行ってあげる、と言われた迷わずチベット、ラサと答えるくらいチベットには興味があります。別に歴史とか文化とか、そういったものに詳しいわけではなく、ただ単純にあの極彩色の仏像やタンカがたまらないのです。

ああいう仏像って、素朴な日本の仏像を見慣れている目からしますと、「悪魔に魂を売った」としか思えませんね。今回も仏像やタンカ、それにチベット仏教の法具などを見てますと、それを感じます。近代以前のキリスト教徒が見たなら、異教徒のものと思わず、悪魔崇拝の呪術道具だと思い込んでしまうのではないでしょうか。そんな気がしてしまいます。


チベット展といいますと、いつだったか覚えていませんが、タンカ展みたいなのが開催されたときにやはり見に行った記憶があります。高校生か大学生の頃です。

あたしは一人で見に行ったのですが、会場では、展示を見ているあたしのすぐ近くに3人連れくらいの女性がいました。あたしよりちょっと上、大学生かOLかな、という感じの三人組でした。

その中の一人がじーっと、それこそ食い入るように一枚のタンカを見つめていました。他の二人が次の展示へ行こうよと声をかけたか肩を叩いたかしたときに、その女性が「たまらないのよね、この色が」とつぶやいたのです。

うーん、この人もタンカに、そしてチベット仏教にどっぷりとはまり込んでいたみたいです。そして、あたしも漠然と好きだったチベットが、この展覧会以後、さらに好きになったのです。もしかすると、あの女性に呪術をかけられたのかもしれません(笑)。

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