2009年9月 8日

2009年09月号

米同時多発テロは二〇〇一年の出来事で、今世紀になった途端に起きた大事件でした。今年で丸八年になりますが、ついこのあいだ起きたような感があります。しかしながら当時小学校六年生だった子が成人を迎えるほどの歳月が流れているわけですから、事件が風化するのもやむを得ないことでしょう。

その一方、世界各地ではテロの連鎖がやむことなく、今この瞬間も無辜の人々がテロリストの犠牲になっています。なぜテロが繰り返されるのか、人々は殺し合うのか、日本人も冷静に考えてみる必要がありそうです。

冷静に考えるには、時の流れを経ることも必要です。歴史を客観的に見つめ直すことができるようになるにも、それなりの時間の経過が必要な場合があります。好評の新刊『倒壊する巨塔』も、そんなタイミングで刊行された、上下巻、渾身のノンフィクションです。

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