2009年8月19日

レストレス・ヴァージンズ(;_;)

久しぶりに、読み終わって「嗚呼、読んで損した」という気分に襲われました。

えっ、何を読んだのかって? これです、これ。『レストレス・ヴァージンズ』です。たぶん、今なら、どこの書店でもまだ積んであるところが多いのではないでしょうか?

白々しい言い訳にしか聞こえないかもしれませんが、別に高校生たちのセックス話に興味があって手に取ったわけではありません。なんかとてつもない、それこそ全米を震撼させるような事件(もちろん性にまつわる)が起き、そこから生徒たちがどう傷つき立ち直っていくのか、そういう群像劇とは言いませんが、きれいな表現をしてしまえば「青春の光と影」的なストーリーを期待してたわけです。

ところがどっこい、本書は延々と、数人の登場人物が入れ替わり立ち替わり自分たちに高校生活最後の学年のことを語るだけのインタビュー形式で、話している内容も休み時間や放課後に友達どうしでだべっているような内容ばかりです。

確かに、話されていることで性にまつわることは、日本の高校生はここまで行ってないよな、という内容がほとんどで、法律の違いかもしれませんが、酒もタバコもマリファナも出てきますので、そういう意味ではセンセーショナルです。

でも、そんなことはアメリカの高校生にありふれたことではないでしょうか? 特別変わったこと、異常なことという感じはしませんし、そういう描かれ方もしていません。そして、問題の事件というのも実につまらないもので、「えっ、これがそうなの?」というものです。その後の展開も、特にそこから話が膨らむわけでもなく、登場人物たちはあくまで事件に関しては脇役のままです。

インタビューをまとめただけのドキュメントとして読めばよいのかもしれませんが、なんのストーリーもなければ問題提起もないし、登場人物の成長が描かれるわけでもない、いったい何を意図した本なのでしょうか? それでもアメリカ本国では売れまくったのでしょうか?

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