2009年8月10日

立川という街

やや前の話ですが、リブロ吉祥寺店でお店の人と話をしていて、雨の日はやはり客足が落ちる、ということを聞きました。雨で客が足がおちるのはどの店でも基本的にそうですが、このお店の場合、駅から濡れずに来られないのが原因だとも言っていました。

えっ、リブロ吉祥寺店と言ったら、そりゃ地下街とかで駅と繋がっているわけではないですけど、それに土砂降りの雨ならつらいですが、ちょっとした雨くらいなら傘を差すまでもなく数十歩で駅ビルロンロンから着いてしまうじゃないですか? それでも雨はかなりの影響を及ぼしているみたいです。

そんなことを思い出したのは、伊勢丹吉祥寺店の閉店のことを考えていたからです。あたしからすれば伊勢丹吉祥寺店は吉祥寺の真ん真ん中にあるような印象すら覚えますが、人によっては駅から遠いと感じるようです。特に雨が降ったら行くのに難儀しそうですね。

そう考えますと、吉祥寺という街は北口のサンロードとチェリナードにアーケードがある以外、雨の日にはやさしくない街なんですよね。雨が降ったら途端に町歩きに難渋する街だと言えます。

これを突き詰めて考えますと、あら不思議、吉祥寺って全然地下街がないんですね。郊外の街の場合なら当然かもしれませんが、地下街で主要な百貨店とかビルが繋がっていないので、雨の日は不便なのでしょう。

でも逆に言えば、地面が主力というのは、ふだんは徘徊するのによい街と言えるかもしれません。特に吉祥寺のように街へ来る人の年齢層が幅広い場合、階段を上がったり降りたりは高齢者にはつらいでしょうが、吉祥寺の街にはそういう必要がありません。

案外、ここが吉祥寺の底力なのかもしれないと思う今日この頃です。

で、そんなことを考えたのは、少し前に立川のオリオン書房へ行ったとき、何気なくデッキから地上を見たら、人通りもまばらでデッキ上の賑わいと好対照をなしていたのに驚いたからです。

ネットだったか雑誌だったかで、立川は空中(デッキから上)が賑わっているが、地上は蚊帳の外、新宿以西で最も賑やかな街という称号もデッキの上の話で、地場の商店街はそんな恩恵にはあずかれず疲弊しているという記事を読んだことがあります。あたしの脳裏にはこの記事の記憶がとっさに浮かんだのです。

確かにあたしも書店回りで月に何度か立川には行きますが、デッキから下へ降りたことって、ほとんどないですね。降りる必要もないですし。オリオン書房ノルテ店が入っているビルの一階も、少し前にテナントが撤退して以来空きのママ。これはやはり寂しい限りです(と、お店の人も言ってました)。

ルミネや伊勢丹、高島屋やエキュートなどに依存していては、いずれまた吉祥寺に抜かされるのではないかという気もします。それに乗降客数ではこの数年吉祥寺より上にいる立川ですが、ありがちな「住みたい街ランキング」では吉祥寺より上に立てたことってあるのでしょうか?

読んだ感想を書く