2009年8月31日

交通事故

目を覚ましたら、ベッドに寝ているのですが、自宅の、自分がいつも寝ているベッドではありません。「あれ、ここはどこだろう?」と思い周囲を見回すと、あたしの腕には点滴の針が刺さっていて、自分では見えないのですが、頭には包帯が巻かれている感じです。そして何より変なのは、母親がベッドの脇で不安げな顔であたしを見つめているんです。

あれ、お母さんどうしたの? と声をかけたつもりなんですが、聞こえていないのか、母親はただただあたしの顔を見つめているだけです。

そこで、ようやく思い出しました。昨日の夕方、仕事を終えての帰路、バスを降りて家に向かって歩いていて、交差点で強引に曲がってきたトラックが......

そうか、たぶん、あたし、交通事故にあったんだ。あのトラックに轢かれたんだ。でも、その瞬間の記憶が全然ないし、それにいま何時なんだろう。とりあえず、ここはあたしが担ぎ込まれた病院なんだろうとわかりました。

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総選挙とベストセラー

予想通りなのか、そうでないのか、あたしにはよくわかりませんが、とにかくニュースとしては「歴史的転換」となった今回の衆議院選挙。夜8時のテレビ各局の予想では民主党が単独で320議席を超えると出していたところがほとんどでしたから、結果的に300ちょっとというのは、誤差の範囲なのか読み違えなのか、どうなのでしょう?

それにしても前回の小泉郵政選挙の時といい今回の政権交代といい、どうしてこうも極端に振れるのでしょうか? 2回とも一つの党が300を上回る議席を占めてしまうなんて、ちょっと極端すぎやしませんか?

と、この結果を見ながらふと思い出したのが、最近のベストセラーのことです。

CDなどの音楽業界もそうらしいですが、出版業界もほんの一握りのベストセラー、ミリオンセラーにお客さんが群がって、それ以外は見向きもされないという状況です。先日の村上春樹の新刊も、書店で話を聞くと、普段は本屋には来そうにないような人までが買いに来てる、文芸書なんてほとんど読まないような人が買っていると、書店員さんは言ってました。

そういう人が本屋に来てくれたときに、書店側としてはついでに他にも買っていってくれないかなと、村上春樹の既刊を周りに並べたりして販売増に励んでいるわけですが、一部の書店を除いて、それほどはかばかしい結果は生まなかったようです。

結局、一つ二つのバカ売れする商品と、全く売れないほとんどすべての商品という鮮やかな対比。まさしく民主党一色に染め上げられた今回の選挙(あるいは小泉旋風の前回選挙)と同じではないでしょうか?

これって、日本の国民性なんですかね?

だとすると、これで再販制廃止とかになったら、多くの人に受ける本ばかりが発売されるようになりそうで怖いです。

2009年8月30日

セレモニー黒真珠

セレモニー黒真珠』読了。宮木あや子さんの作品は初めてでしたけれど、どこかで読んだことがあるような文章で、すらすらと読めました。

葬儀屋が舞台、ということには何の違和感も感じませんし、あたし自体、葬儀のようなセレモニーは大好きな方なので、興味深く読みました。ただ、決して葬儀屋の仕事を紹介するようなストーリーではなくて、そこに働く人々が抱える切ない物語がメインですね。

なんか、もどかしいくらいに自分の感情をうちに抱えて生きていて、外に発散するのが下手な登場人物たちは、あたしには非常にいとおしいです。

ただ一つ、木崎の妹からミンチン先生と呼ばれる笹島。29歳にして42歳に見える女性ってのに、実生活では逢ったことがないので、ちょっとイメージしづらかったですが。

2009年8月29日

ガイブンはカッコイイ?

本夕は「読んでいいとも! ガイブンの輪」の第4回。場所は立川のオリオン書房ノルテ店、トークゲストは岸本佐知子さんからのご紹介で、漫画家の榎本俊二さんでした。

今まで3回は新宿でやっていたのに、どうして今回は立川(?)などと野暮なことを聞くのはやめましょう。ガイブン好きの輪を広げるには新宿だけでは飽きたらず、豊崎社長は東奔西走、それこそどこへでも行くお覚悟なのでしょう。

それはそうと、毎回ゲストにどうしてガイブンを読むようになったのというおきまりの質問からトークは始まるのですが、今回の榎本さん、外国のものを読んでるってカッコイイと思ったから、との素直なお答え。つまりは松田聖子や田原俊彦にキャーキャー言ってザ・ベストテンなんかを見ているクラスメートに対し、お前らなんかと違って、もっと視野が広いんだぞ、ってところを見せたくて洋楽を聞くようになるのと同じことです、と話してらっしゃいました。

うん、この喩え、よーっくわかります。ちなみにあたしはアイドルも追っかけつつ洋楽も聴く両刀遣いでしたが、当時、洋楽の中にも「商業ロック」なんて言われて、日本のFMでかかるようなのは本当の洋楽やロックじゃない、なんて嘯いている連中もいましたね。

で、話は戻って、そういう動機付けに対して豊崎社長も「そう、それでいいのよ」というスタンス。とにかく動機やきっかけはどうあれ、興味を持ってくれること、読んでくれることが大事なんだというわけですね。

でも、あたし、大学時代から思うようになったんですが、たとえば電車の中とかで洋書を読んでいると、「あ、あの人、英語が出来るのね」とか、必ずしも英語の本に限りませんが、横文字の本(アルファベットということ)であれば、そういった羨望の眼差しを周囲から浴びて、「カッコイイ」ということも言えるでしょう。

でも、あたしがやっていた中国学ですと、あたしも電車の中で原書をよく読んでましたけど、「あ、あの人、中国人ね。日本で苦労して働きながら学んでいるのね」という、憐れむような視線ばかりを感じていました。間違っても「日本人が中国語の原書を読んでいる」とは思われませんでしたよ(涙)。



それはそうと、このトークイベント、毎回ゲストと豊崎社長がオススメのガイブンを紹介してくれるのが後半のメインテーマなのですが、どの書店もウェブでは事前の告知ばかりで、終わった後にイベントで紹介された本を紹介するようなことってやってませんよね?

ゲストおよび豊崎社長のコメント付で、これまで4回のイベントで紹介された本を載せているサイトってないのかしら? 豊崎社長のウェブサイトには載っているのでしょうか? 折角のリレーイベントなので、もっと継続性も大事にしたいところです。

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