カニバリズム
初体験です。
生まれてこの方、一度も体験したことがないようなことを体験しました。
いや、正確には体験と呼んでよいものか微妙です。
えーと、人肉を食べました。
もちろん、夢の中で、です。
現実にはもちろんのこと、夢の中でさえ人の肉を食べるなんて経験したことがありません。いったい、どうしてこんな夢を見たのでしょうか? 体調のせい? 精神的な問題? あたし、何か病んでいるのでしょうか? ちょっと自分自身に不安があります。
生まれてこの方、一度も体験したことがないようなことを体験しました。
いや、正確には体験と呼んでよいものか微妙です。
えーと、人肉を食べました。
もちろん、夢の中で、です。
現実にはもちろんのこと、夢の中でさえ人の肉を食べるなんて経験したことがありません。いったい、どうしてこんな夢を見たのでしょうか? 体調のせい? 精神的な問題? あたし、何か病んでいるのでしょうか? ちょっと自分自身に不安があります。
どんな夢だったか簡単に書いておきます。
どこだかわかりませんが、外国にいます。連れが一人いるみたいなんですが、家族なのか会社の同僚なのか知り合いなのか、全くわかりません。もしかしたら行きずりの人かもしれませんが、とにかく連れがいました。
で、その外国といっても食人習慣の残る、言葉を悪く言えば未開の地、ジャングルの道なき道を踏破して辿り着いた村みたいなところで、あたしたちは村人の歓迎を受けているのです。その食事の時に人の肉を食べる羽目になったのです。
最初、酋長が「これは大事な客が来たときにしか食べさせない料理だ」と言って、鶏の皮のようなもの、ある種北京ダックみたいな照りもありましたが、そんなものを出してくれました。よく見ると、酋長は右手に肉を切り分けるための大きなナイフを持っているのですが、左手にはまだ3歳か4歳くらいの男の子を抱えています。その男の子のこめかみあたりの皮を5センチ四方くらい切り取ったものが、先の「鶏の皮」だったのです。
まずはそんなものが連れの皿に盛られました。酋長が抱える男の子、髪の毛はつるつるに剃られていて、次に頭頂部が切り取られ、こんどはあたしの皿に盛られました。全然血は出ません。どんな調理方法を施されているのでしょうか? もう一度茹でてあるのでしょうか?
頭頂部の皮は、ちょうど薄いお皿のような形で、言われなければそれが人の頭だとは思えません。あたしは特に嫌がるわけでもなく、勧められるままにそれを食べようと手を伸ばしました。ただ、それをつかんで口に運ぶにはちょっと大きいので、そのまま食べるのではなく、食べやすい大きさにちぎってから食べよう、そんな気持ちで手を伸ばしました。
その刹那、夢の中では頭頂部の皮だったものが、男の子の頭部全体に変わりました。ちょうどおもちゃのボールのような大きさの男の子の頭を抱え、そこから食べやすい大きさを切り取ろうと、ナイフもないので自分の指を男の子の皮膚に突き立てました。そして、グレープフルーツの皮を手でむくように、男の子の頭部から自分が食べる分だけの表紙を切り取ろうとしたのです。
すると夢の中ではその瞬間、あたしが手にしているのは男の子の頭部だけだったのに、体全体を抱えているのです。ちょうど先程の酋長と同じような格好です。
あたしはもう自分が食べる分だけを切り取るどころではありません。まだ幼い男の子とはいえ、料理としてはとても大きな肉のかたまりを抱え、そこからまず頭部を引きちぎりました。
顎の下に親指を入れて突き刺し、がりがりと親指の腹で首の部分を裂いていき、頭部だけを胴体から切り離しました。切り取った頭部を自分の皿に置き、胴体はまたテーブルの上に戻しましたが、その時、あたしは何を思ったか、その男の子(の胴体)に向かって「痛くなかった?」と声をかけたのです。男の子は頭部もないのにうなずきました。いや、あたしにはうなずいたように見えたのです。
それを見届けるとあたしは安心して、皿の上の頭部にかじりつきました。
いや、かじりつこうとしたところで目が覚めました。ですから実際には食べていないとも言えますが、夢の中であたしは人肉を食べることに何の抵抗も感じていなかったのが不思議です。不思議どころか自分に対して嫌悪すら覚えます。
人肉よりは、その時テーブルの上に並べられた蛙やトカゲなどの、いわゆる「ゲテモノ」の方が気持ち悪くて食べたくなくて、あんなの食べるくらいなら男の子の頭の方が美味しそうだ、そう思っていたのです。
あたしの心の中でいったい何が起こっているのでしょうか? 不安でなりません。
どこだかわかりませんが、外国にいます。連れが一人いるみたいなんですが、家族なのか会社の同僚なのか知り合いなのか、全くわかりません。もしかしたら行きずりの人かもしれませんが、とにかく連れがいました。
で、その外国といっても食人習慣の残る、言葉を悪く言えば未開の地、ジャングルの道なき道を踏破して辿り着いた村みたいなところで、あたしたちは村人の歓迎を受けているのです。その食事の時に人の肉を食べる羽目になったのです。
最初、酋長が「これは大事な客が来たときにしか食べさせない料理だ」と言って、鶏の皮のようなもの、ある種北京ダックみたいな照りもありましたが、そんなものを出してくれました。よく見ると、酋長は右手に肉を切り分けるための大きなナイフを持っているのですが、左手にはまだ3歳か4歳くらいの男の子を抱えています。その男の子のこめかみあたりの皮を5センチ四方くらい切り取ったものが、先の「鶏の皮」だったのです。
まずはそんなものが連れの皿に盛られました。酋長が抱える男の子、髪の毛はつるつるに剃られていて、次に頭頂部が切り取られ、こんどはあたしの皿に盛られました。全然血は出ません。どんな調理方法を施されているのでしょうか? もう一度茹でてあるのでしょうか?
頭頂部の皮は、ちょうど薄いお皿のような形で、言われなければそれが人の頭だとは思えません。あたしは特に嫌がるわけでもなく、勧められるままにそれを食べようと手を伸ばしました。ただ、それをつかんで口に運ぶにはちょっと大きいので、そのまま食べるのではなく、食べやすい大きさにちぎってから食べよう、そんな気持ちで手を伸ばしました。
その刹那、夢の中では頭頂部の皮だったものが、男の子の頭部全体に変わりました。ちょうどおもちゃのボールのような大きさの男の子の頭を抱え、そこから食べやすい大きさを切り取ろうと、ナイフもないので自分の指を男の子の皮膚に突き立てました。そして、グレープフルーツの皮を手でむくように、男の子の頭部から自分が食べる分だけの表紙を切り取ろうとしたのです。
すると夢の中ではその瞬間、あたしが手にしているのは男の子の頭部だけだったのに、体全体を抱えているのです。ちょうど先程の酋長と同じような格好です。
あたしはもう自分が食べる分だけを切り取るどころではありません。まだ幼い男の子とはいえ、料理としてはとても大きな肉のかたまりを抱え、そこからまず頭部を引きちぎりました。
顎の下に親指を入れて突き刺し、がりがりと親指の腹で首の部分を裂いていき、頭部だけを胴体から切り離しました。切り取った頭部を自分の皿に置き、胴体はまたテーブルの上に戻しましたが、その時、あたしは何を思ったか、その男の子(の胴体)に向かって「痛くなかった?」と声をかけたのです。男の子は頭部もないのにうなずきました。いや、あたしにはうなずいたように見えたのです。
それを見届けるとあたしは安心して、皿の上の頭部にかじりつきました。
いや、かじりつこうとしたところで目が覚めました。ですから実際には食べていないとも言えますが、夢の中であたしは人肉を食べることに何の抵抗も感じていなかったのが不思議です。不思議どころか自分に対して嫌悪すら覚えます。
人肉よりは、その時テーブルの上に並べられた蛙やトカゲなどの、いわゆる「ゲテモノ」の方が気持ち悪くて食べたくなくて、あんなの食べるくらいなら男の子の頭の方が美味しそうだ、そう思っていたのです。
あたしの心の中でいったい何が起こっているのでしょうか? 不安でなりません。
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