2009年7月 4日

ソウル雑感

今回のソウル研修、ソウルという街が二回目で、前回から十数年も経っているので比較してどうのこうのと言えた義理はないので、むしろあたしが何度も行っている北京や上海と比較して思ったことを書いてみます。


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まず街全体の印象は、やはり北京・上海よりは東京に近いです。整然としたところや清潔感など、街それ自体だけでなく、道行く人から発せられるものまで含めて、やはり東京に近いと感じます。

例えば歩道。東京もソウルも、工事中でもなければ平らですよね。でも、北京や上海は意外とでこぼこしています。歩きにくいのなんのって、ひどいものです。確かに街路樹の根っこが張っているからという理由はわかりますが、街路樹があるのはソウルも東京も同じです。歩道の歩きやすさ清潔さという面では東京・ソウルと北京・上海に分けることが出来ます。

その一方、ソウルは北京や上海と同じく右側通行で、日本とは逆です。当然、車も基本は左ハンドルです。北京、上海を知っているあたしはそれほど戸惑うこともありませんが、やはり海外旅行の体験が少ない人に驚きでしょう。

それと林立するマンションの外観。どことなく、北京や上海に林立するマンションと外観が似ています。どこがどうと聞かれても、あたしは建築の専門家ではないのでうまく答えられませんが、パッと見の印象が東京のマンションではなく、北京や上海で見るマンションなんです。これはこれらの年を体験した人間でないとうまくわかってもらえないとは思いますが......

さて、言葉。

韓国語はわかりません。もうちょっと勉強して、せめてハングルくらいは読めるようにしておくべきだったかもと思います。ただ街中でハングルを聞いていますと、どことなく中国語に似ているかな、中国語に聞こえなくもないかな、と思われる節があります。

考えてみれば、ハングル文字を使っているからわかりにくいだけで、ボキャブラリーの多くは韓国・朝鮮語だって漢語発のものです。中国、日本と三国共通しているものが多いはずですよね。だから単語レベルではなんとなく「たぶん、○○のことでしょ?」という風に聞き取れてしまう部分もあります。日本語に近い発音のものもあれば、中国語に近い発音のものもあるようです。

で、もうしばらく聞いていると、「中国語の発音は流れるようだ」というのがわかりました。やはり、韓国・朝鮮語の場合、ぶつ切れな発音な感じなのです。たぶん語末のp、t、kなどの音があるからではないでしょうか?(←未確認ですが、ありますよね?)

それにしても、これは以前にも書いた気がしますが、日中韓の三か国は同じ漢字を使っていて(←ハングルを使う前は朝鮮だって、ということで......)、儒教文化圏などと言われ、なおかつ戦争などの不幸な歴史はあるにせよ、それなりに長い歴史的な交流があったわけです。長い長い文化交流があり、文字まで共通しているのに、こうまで言葉が異なるというのはなぜなんでしょう?

偏見かもしれませんが、もしあたしが欧米人であれば「日本人、韓国人、中国人ってお互いにだいたい話していること、聞いてわかるんでしょ?」という気になります。普通はそう思い込んでしまうのではないでしょうか?

これも偏見かもしれませんが、ヨーロッパでは親戚が各国に散らばって住んでいる人ってのがいますよね。年に一度くらい集まると数か国語が乱れ飛ぶなんてことを聞きます。普段からそういう環境にあるのでヨーロッパの人は自然と数か国語わかるという人もいるようです。(←これこそ偏見?)

そういう感覚で考えると、日中韓だって簡単に意思疎通できるんでしょ、と思う方もむしろ自然だと思います。そうはならなかった歴史の不思議を研究した本って無いでしょうか? それに一部の人を除けば、そして最近は若干増えてきましたが、日中韓は親戚がこの三か国に散らばって住んでいる人ってのも、たぶんヨーロッパに比べたら全然少ないのではないでしょうか?(←これもかなり偏見、というか先入観?)

とにかく不思議な東アジア三か国ですね。


最後に、今回は研修旅行ということで、きちんと通訳の方がいましたが、レジュメがあらかじめ用意されている発表はともかく、質疑応答ではいろいろ問題点が出ていたと思います。韓国の人の質問がどうであったのかは韓国語がわからないので判断できませんが、こちら日本人側の質問で言いますと、みんなもっと翻訳しやすい日本語で語るべきだったでしょう。

日本人って「どう思いますか?」「どうなのでしょうか?」という漠然とした質問の仕方をする人が多いですね。これって前後の文脈にもよりますが、基本的にはものすごく翻訳しづらい日本語ではないでしょうか? やはり国際会議などに参加する場合、もちろん知識など基本的なことは必要ですが、翻訳しやすい発言を心がけるというのもマナーではないでしょうか?(もちろん、素のままの言葉を話して、それを通訳してもらうのが一番よいのはわかりますが......)

それと、こちらからは目録などの手土産として韓国の出版社の人などに送ったのですが、せめて目次くらいは韓国語に翻訳したものを挟み込んでおくべきではなかったかな、とも思いました。

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