2009年6月21日

図書館の蔵書

昨日の朝日新聞でしたっけ? 佐野眞一が図書館のこと書いてましたよね。

どういう内容だったか、ちゃんと読んでいないのでわかりませんが、図書館の蔵書についての記事だったと記憶しています。

図書館の蔵書といえば、少し前にたまたま仕事で参加した研修会でパネリストの人が、これからは新しく図書館がオープンするときに基本となる書籍を揃えるのに苦労する、と述べているのが記憶に残っています。

どういうことかといいますと、図書館がオープンする場合、私立の特殊な図書館を別とすれば、基本的には図書館となる建物を建て、本棚や椅子などを建物の中に並べます。ここまではお金がいくらかかるかな、という想像も働きますが、肝心の主役、その建物の書架に並べる本だって買わないとならないわけです。

一度出来てしまえば、あとは年間予算の中から本を購入すればよいわけですが、最初は数万冊(?)という本をまず買い揃えなければなりません。

市とか県によっては、既存の図書館のダブっている蔵書を回したりして、多少は予算の節約も可能でしょうが、そうはいかない場合も多いのではないでしょうか。

で、何が言いたいのかといいますと、上に書いた研修会のパネリストの方の発言なのですが、結局は出版社に本を注文して購入するわけなんですが、多くの出版社で図書館に揃えておきたい基本図書が品切れ絶版になっている、という問題です。

図書館というのは、街の本屋とは違って、売れる本、イマドキの本だけを置いておけばいいのではありません。やはりいつの時代にも読み継がれるべき本、読み継いでいってもらいたい本を置いておく、たとえそれが一年に一回しか借り出されない本であろうと、揃えておかないとならない本というのはあるはずです。そういう本が出版社の都合で品切れ絶版にされてしまうと、図書館の質を維持できなくなってしまう、というのが発言の趣旨でした。

出版社に勤める人間として耳の遺体はなしではありますが、一方でこちらも慈善事業ではありませんから、売れない本を出しているわけにもいきません。(そういう意味でも、あたしは個人的には「出版は文化だ」と巷間よく言われますが、この意見には反対です。)

結局、そのパネリストの方の話では、最近はある程度の蔵書を古本業者から購入せざるを得なくなっているとのことでした。しかし、この傾向はますます強まっていくのではないでしょうか?とりあえずの措置としては、原則としてすべての出版物は国会図書館に一冊は納める制度になっていますから、国会図書館の本をデータ化して他の公共図書館に設置した端末で閲覧できるようにする、などの方策が考えられますが、それってグーグルが進めていることですよね?

読んだ感想を書く