2009年6月 6日

花金

花金。

既にこんな死語を使う人はほとんどいないのでしょうか? そもそも、今どきの若い子は「花金」をどう読むのかすらわからないのかも......。

でも、めざましテレビで週末などにアヤパンが「今日は花金ですね」のように使ったりすることが時々あって、まだ若い女子アナを前に、ちょっと照れくさそうにこの言葉を発するアヤパンはとてもカワイイと思います。

それはともかく昨晩はその花金。あっ、念のため書いておきますと、花金は「はなきん」、明日は仕事もお休み、だから今晩は彼氏とデートなので気分はルンルン、という乙女の気持ちを表わした用語が花金です。

気分はルンルン、なんていうのも時代がかった表現ですね、スミマセン。でも花金という言葉が使われていた頃は気分はルンルンも歴とした現役の言葉だったはずです。

閑話休題、昨晩。

あたしは立川にいました。そのことは既に直前のエントリーで書いています。書店のトーク・イベントを聞きに行ったわけです。終わったのが9時少し前。書店もようやく閉店の時刻で、なんとなくそわそわというか、いつもとは違う雰囲気が漂います。ちょっともの悲しさもありますね。

ところが外へ出てきて立川駅へ向かうその道のりは、花金を浮かれて過ごす人たちでまだまだごった返しています。当然カップルが多いです。高校生、大学生、社会人。あるいは腕を組み、あるいは手をつないで、今がこの世の春とばかりに幸せそうな微笑みを浮かべている二人がそこかしこにおります。

あたしは、こういう街の光景を見るといたたまれなくなります。単なるひがみだと言うことも重々承知しております。だから、夜はできるだけ出歩かないようにしています。

仕事が終わったらさっさと帰宅し、食事をして風呂に入り、のんびりとテレビを見て、パソコンでメールをチェックして、そして早々と床に潜り込んで本を読みながら眠りに落ちる......。もう数十年も変わらないスタイルです。

これなら、街でいちゃつくカップルを目にすることもなく、心の平静を乱されることもなく過ごすことができます。立川などはまだいい方で、もっと都心に近い、人口の多いところだと、さらにいたたまらなさが増します。

そして昨晩のようにそういう光景を目にしてしまった晩は、布団に入っても悶々として体中を熱い血潮が逆流しいつまでも寝付かれない夜を過ごすのが常です。

しかし、あたしも大人になったのか、昨晩は、布団に入るとじきにコトリと眠ってしまいました。これは悟りの境地に達したのか、それともあたしの人生終わっているのか......

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