2009年6月 4日

エスプレッソ

仲良しの女子書店員さんに勧められて、穂村弘『本当はちがうんだ日記』を読み始めました。その書店員さん曰く、この本を読んでいたら、あたしを思い出した、とか。

どういう意味じゃ? という思いを抱きつつ読み始めまして、その最初の章が「エスプレッソ」。

エスプレッソってなんでしたっけ? コーヒーの一種ですよね? 確か、泡立てた表面に絵を描いたりするのがエスプレッソでしたよね? まあ、それは特殊な技能ですけど、何年か前にやたらと流行ったなあという記憶があります。

ただ、あたし、たぶん、エスプレッソって飲んだことないですね。穂村さんはエスプレッソが苦く感じるのでああだこうだ書いていらっしゃるわけですが、あたしはそもそも飲んだことがないし、飲もうとしたこともないんです。

なぜって?

それはコーヒーが飲めないからです。

小さい頃は風呂上がりのコーヒー牛乳が大好きで、ロッテのガムもグリーンガムやクールミントは辛いから、コーヒー味をよく噛んでいたあたしなのに、コーヒー飲めないんです。それに気づいたのはたぶん中学か高校の頃。コーヒーという大人の飲み物を自分から意識して飲んでみようと思った時分です。

父親が凝ってるってほどでもないですけどコーヒーが好きで、家にはサイフォンもあって、よく休みの日にコーヒーを入れていたのを覚えています。いい香りだと思ってました。

でもいざ自分が飲みような歳になって口にしてみるととても苦く感じました。ミルクと砂糖をたっぷりと入れて、既にそれはカフェオレすらも通り越して、完全に「暖かいコーヒー牛乳」と化していました。そんな風にしないとコーヒーは飲めませんでした。

それと飲めない理由もう一つ。お店で出されるコーヒーだと申し訳程度にしか砂糖やミルクがついていませんよね。それでは足りないので一緒にいる家族の分までもらって入れて飲んだりしてたのですが、そうやってコーヒーを飲んだ後は必ずお腹を壊すんです。ほぼ100パーセントでした。

なので、コーヒーを飲むとお腹を壊すというあたしのテーゼが出来上がってしまい、コーヒーは飲まないようにしています。香りは好きです。そばで誰かが飲んでいてもイヤでもなんでもありません。でも、そういう理由で飲めないんです。社会人になって、訪問先でコーヒーを出されることがあっても、あたしはまず口をつけません。形だけ口をつけたようなふりをして済ませます。

お茶や、せめて紅茶を出してくれればいいのに、と思いますが、やはりお客さんが来たらコーヒーというのが定番のようで......

しかし、庶民はコーヒーを飲み、貴族は紅茶を飲むものなのです。

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