2009年6月 4日

20周年

20年経つのですね。六・四天安門事件から。

あたしが大学4年の時のことでした。その前年と言いますか、大学の2年生から3年生になる間の春休み、短期語学研修で北京外国語学院(現・北京外国語大学)へ一ヶ月滞在して、初めての海外、初めての中国を味わったその中国で、あんなことが起きるとは。

ただ、不謹慎ながら、当時リアルタイムでは、それほどの悲劇という感覚はなかったです。それはたぶん、身近に中国人の友人などがいなかったからかもしれませんし、中国史を勉強していたものにとって、あの程度の騒乱はいつの時代にも存在していた、という冷めた目があったからかもしれません。

その後数年して北京で中国人の友人と天安門広場を散歩していたとき、その友人が「数年前、ここに戦車がやってきて、人々を撃ったんだ」と何気なく、それこそ近所の立ち話のように語ったのを聞いたときは、やはりちょっとドキッとしました。

その当時もそうでしたが、一部の過激な人を除いては、政治腐敗、幹部の腐敗に対する反感は強くても、共産党体制、特にその一党独裁体制に反対という中国人が少なかったのには日本人としてやはり驚きました。そういう意味では、中国共産党は封建時代から続く歴代政権(王朝)をよく研究しているなあ、人民をぎりぎりのところで反抗に駆り立てない微妙なさじ加減をよく抑えているなあと感心します。

しかし、あの当時は、潜在力はあるとは言え、やはり中国は発展途上国、日本より数十年遅れているというのが現実だったと思いますが、現在は、激しい格差はともかく、紛れもない世界の大国、そろそろ次のステップという気もします。

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