2009年5月24日

地上にて@光文社

今朝の朝日新聞読書欄に載っていた記事です。

光文社の新刊「地上にて」について、光文社は全国の書店に1冊ずつ配本するそうです。全国の、と言っても、記事によれば光文社がふだん新刊を送品している書店は2千数百店舗くらいのようですが......

初版5000部ですか。さすが大手。中小、零細の出版社なら初版は2000からせいぜい3000ですよね。やはり大手は桁が違う。あっ、桁は同じか(爆)。

まあ2000でも5000でも1万でもいいんですが、ふつうは大型の書店、それも東京や大阪など主要都市の基幹書店に多めに送品し、書店の規模に応じて徐々に減数し、地方の小さい書店では1冊、あるいは配本が全く無し、という傾斜式配本をするわけですが、今回はあえてそれをしないわけですか。

この試みがどう出るか? 著者および光文社側は「書店員の方にしっかり読んでいただき、気に入っていただけたら追加注文をして欲しい」という心意気で、別途手紙まで発送しているとか。力入っていますね。

でも、こういう記事になったから改めて「そういや、そんな手紙来ていたなあ」と思ってくれる書店員さんもいるのでしょうけど、多くの場合手紙なんか来たって読んでる暇もなくゴミ箱行き、この「地上にて」も1冊だけ入荷したのでは、カバーや帯の惹句が目を引くとかっていうのがなければ、棚に置かれてそれっきりになるんじゃないかと、そんな気がするんです。あくまで、経験に鑑みた、かなり悲観的な予想なんですけど。

ただ、その一方で、新聞社などに働きかけて、こういう記事を書いてもらう、という営業力(宣伝力)というものが、さすが大手出版社だなあと思うのです。朝日のこの記事がどれくらい校歌あるのかわかりません。でも、意外と書店の人も読んでいますから、こういう記事が出ただけでも、並みいるライバル(=新刊書)の中で一頭抜け出した感はありますよね。現状では、それが肝心なんです。

あとは、今後の動きですね。5000部刷って約半分を配本し、追加注文を残りの2000部少々でまかなうわけですか。重版のタイミングって、どうやって測るのでしょうか? そんなことに関心が向いてしまいます、業界人としては。

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