2009年5月 9日

あたしのせい?

このGWにTBS系で放映されていたドラマ「君のせい」をHDDに録っておいたので見ました。二夜連続で、これって悪名高き(?)ケータイ小説が原作なんですね。でもまあ、愉しく見ました。

ストーリーは、大学の合コンで知り合った男女が、実は小学校の同級生で、女子はクラスのいじめられっ子、男子はそのいじめていた方。合コンで、男子は女子に一目惚れして猛烈にアタックしますが、小学校の時の同級生だとは気づいていない。一方の女子の方は自己紹介の名前ですぐに過去を思い出し、古傷が痛み男子に仕返しを誓う。

という書き方をしてしまうと、ドロドロ劇ですか(?)という感がなくもないですが、そうではなくて、基本はケータイ小説ですから、ピュアな恋愛ドラマで す。おきまりのように、集には二人の邪魔をする腹黒い人物を配し、一方で主役の二人の友達はそれぞれいつのまにかいい仲になっている、というところも都合 よくできているケータイ小説です。ただ、レイプや妊娠、ドラッグといったいかにもダーティなところはなく、特に深夜に放映しなくても、昼間でも構わない内 容でした。

なんで男子の方は小学校の時の同級生を思い出さないのかと言えば、女子の方が途中で転校し(いじめを苦に?)、その後母親が再婚して姓が変わったから。それにいじめた方は忘れても、いじめられた方の心の傷はなかなか癒えない、というのも理由の一つです。

結局、男子の方は小学校の時も女子のことが好きだったわけですが、伊自良れっこにや差しくすると自分もクラスメートのいじめの標的にされてしまうのが怖く て一緒になっていじめていたことがわかります。それも小学校の時、転校していった女子に卒業アルバムを送っていて、そのアルバムの間にお詫びの手紙が挟ま れていたのです。ところが母親が娘のいじめられて記憶に触れたくないと、今までそんなアルバムが送られてきたことを内緒にしていて、たまたまの偶然でその アルバムを手にした女子が、そこに挟まれていた男子からの手紙を読み、遂に二人は和解する、というなんとも切ないラブストーリーです。

あたしも小学校から高校まで、いじめられっ子という言い方は不正確ですが、クラスの中の嫌われ者ではありました。時代が違うので、いじめと言っても昨今の ような逃げ場も救いもないものではなかったですから、今のいじめられっ子に比べればまだマシではありました。でも、当時の心境を思い出してみると、やはり いじめられている方、嫌われている方からすれば、程度の差なんて関係ありません。

いつまでも過去を引きずっている主人公に対し、ドラマのトーンとしては過去にけりを付け、未来に向かって歩きなさい、というメッセージを投げかけているよ うですが、現実はそうそうドラマのように単純ではありません。あたしみたいに今もって引きずったままの人間もいるわけですから。

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