2009年5月 5日

景気対策私案

いろいろと政治家の皆さんは無い知恵を絞っているようですが、高速道路や新幹線、空港建設にダム建造と、どうしても土建的な発想しか出てこないみたいですね。どうせ土建的な発想をするのであれば、あたし個人としては、皇居の東御苑に注目です。

何をするか?

はい、皇居の東御苑というのは、こう言ってしまうとなんかわかりにくいですが、つまりは江戸城です。現在の皇居の宮殿があるところが江戸城時代の西の丸、つまりは将軍引退後の隠居所、ふだん天皇皇后両陛下が暮らしているのは吹上御苑で江戸城の火除け地だったところです。

つまり、現在、皇居のメインとなっているところは江戸時代には江戸城のサブ的な部分だったのです。そして現在の東御苑こそが、江戸城の本丸、二の丸、三の丸といった政府中枢、メインの場だったわけです。

東御苑の本丸跡には、江戸城天守閣跡の石垣も残っていますが、それ以外はだだっ広い芝地と多少の植え込みがあるだけです。「松の大廊下跡」なんていう小さな石碑もありますが、まあ、何もない原っぱ、公園といったところです。

この本丸跡に、江戸城の本丸御殿を再建してみてはどうでしょう、というのがあたしのアイデアです。象徴的な意味からすると天守の再建の方が一般受けはするかもしれませんが、鉄筋コンクリートでエレベータ付の天守閣など再建しても興ざめです。だから、ここは天守閣ではなく本丸御殿の債権を主張したいです。

江戸城本丸御殿は江戸時代三百年のうちに何回か建て替えられています(火事で焼け落ちたりしていますので)。どの時代の御殿で復元するかはあまりこだわりませんが、木造で宮大工の粋を凝らして再建して欲しいものです。

一つには宮大工の技能の伝承という意味もあります。あれだけの御殿の復元となると、やはり大工だけでなく表具から調度まで、いろいろな技術の実践、実験の場になりますよね。

それに何よりも、生きた歴史教育の場にもなると思います。あの松の廊下がそこにあるんですよ! 当時のままに、原寸大で。お鈴廊下や大奥の長局などが当時のままに復元されるなんて、考えただけでも興奮してきます。

もちろん今後の維持のために入場料は取るべきだと思いますが、映画の撮影などに貸し出しても収入は得られますね。想像しただけでワクワクします。いまは「歴女」なる言葉もあるくらい、歴史もある種ブームです。江戸城再建は、オリンピックの誘致に金を使ったり、ほとんど車の走らない高速を造ったり、採算のとれない新幹線を作るよりも、絶対に採算はとれるし、なにより夢があると思うのですけど、どうでしょう?

ちなみに、ネット上では江戸城復元って主張している人もいるみたいですし、そういった書き込みも散見されます。金銭的に難しいという意見も多いですが、上に述べたように、くだらんものに使うなら、それを回せば済むと思いますが、江戸城に興味ない人にはこの方がよっぽどくだらんものでしょうね。

技術的な困難さんを挙げる人もいるみたいで、あたしもこっちの方が困難を伴うと思います。ただ、こういう伝統技術の継承という意味でも、むしろ再建する意義はあると思うのです。

で、たぶん最も困難な理由は、すぐ隣が皇居だということではないでしょうか? 陛下にも下のことがあったら、と宮内庁あたりの頭の硬い連中が考えそうな理由です。(そういう反発が予想されるので、あたしは天守閣の再建は無理だと考えています。)


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