2009年4月19日

愛的代價

別にタイトルから、あたしがとんでもない失恋をしたなどと思わないでください(汗)。これ、歌のタイトルです。



いろいろな人が歌っているみたいで、恥ずかしながら、誰がオリジナルなのか知りません。最初に知ったのは数年前、NHKのドキュメンタリーです。

確か、北京になった演劇学院で学ぶ、未来のスターの卵たちを追ったドキュメントで、その卒業生にはチャン・ツィイーなどもいる名門ですが、もちろん夢かなわず、あるいは夢破れて去っていく若者の数知れず。そもそも、この学校へは入れない人の数たるや......

そんな中国の若者の青春を追ったドキュメントだったのですが、その番組の中で、思うようにいかなくて行き詰まっている青年が、狭くて暗い部屋の中で口ずさんでいたのがこの歌でした。ナレーションでは、少し前に中国の若者の間で大ヒットした曲だと言います。そのもの悲しくやわらかい旋律が非常に耳に残りました。

番組の中では、字幕も翻訳ですから「愛の代償」となっていて、これではなかなかググってみてもオリジナルにたどり着けません。そんな中、それ以前に既に知っていて、CDも何枚か買って持っていた香港のアイドル歌手・女優ジジ・リョンがこの曲を歌っていることを知りました。(あたし、ジジ・リョンちゃん、大好きです!)

今となっては、どうして知ったのか、あやふやなんですけど、たぶん「愛の代償」だけではダメなので、歌詞から聞き取った原題「愛的代價(代価)」とか、中国、流行なんていうキーワードを絡めて検索しているうちに、ネットに散らばる記事にたどり着き、ジジ・リョンも歌っていることを知ったのでしょう。

調べてみるとその通り、ジジ・リョンのCDの中にこの歌を収録しているものがありました。早速購入して聞いてみると、まさしくこの歌。あたしがNHKの番組で聞いたあの曲です。さえない男性が口ずさんでいるだけの曲と、アイドル歌手が伴奏付きで歌っているのとではかなり違いますが、実はそれほど違いを感じないで聞けました。そもそもの楽曲が優れているということなのでしょう。

そして、その後のことです。家族で中国へ旅行した折のことです。上海の新天地にあったパン屋というか喫茶店のようなところで軽い食事のようなお茶のような時間を過ごしていました。店内にはモニターテレビがいくつか天井からぶら下げられていて、有線放送なのか知りませんが、いろいろな歌手のプロモーションビデオが次々に流れていました。

こんなところだけをとったら、全く共産主義の国とは思えません。日本のどこかの喫茶店にいると言っても通じます。パンも美味しかったですし、その中の生クリーム(カスタードクリームだったかな?)も上品な味でした。ちなみに中国では、パンのおいしさやケーキのクリームの味は年々着実に上がっていますね。

さて、その店内のモニターで聞き覚えのあるメロディー(イントロ)が流れてきて、顔を上げて目に飛び込んできたのが、上にYouTubeのリンクを貼っておいた、ジジ・リョンの「愛の代償」のプロモーションビデオです。このビデオ自体は、あたしが持っているCDに付いているビデオCDにも収録されているものです。

あたしはこの時、思わず席から立ち上がって、モニターテレビの真正面というか真下へ行って聞き惚れていました。たぶん、店内の他のお客さんは「この人何してんだろう?」と思ったことでしょう。でも、やっぱり素敵な曲ですし、それも大好きなジジ・リョンの歌唱で、それも音だけでなく映像付きで見られる、そしてそして、それも中国の上海、新天地のカフェで......。

なんか、一人で勝手に興奮しておりました。

最近、こうしてパソコンをいじりながらジジ・リョンのCDを聞いていて、たまたまこの曲が流れたので、ふと数年前の中国旅行を思い出してしまいました。やはり、もう二年も中国へ行っていないので、これは完全な禁断症状ですね。上海となると3年行ってませんから。


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