2009年4月12日

正しいのか?

昨晩のテレビ「世界ふしぎ発見」ですが、公開された映画「レッドクリフ2」に合わせて三国志がテーマでした。

ミステリーハンターの諸岡さんは、兵馬俑を見学し、成都に向かい、三峡下りを楽しんで、赤壁古戦場を見て、孔明の子孫が暮らす村を訪れていました。

兵馬俑は、あたしも3回ほど行っています。最初は写真撮影禁止でしたが、今は撮り放題ですね。(現在はどうかしら?) 入り口から兵馬俑坑の展示場までの土産物街は完成したのでしょうか? あんなもの作って欲しくないです。そのせいで入り口から30分くらい歩くことになるわけですから(憤)。

成都は行ったことないです。地震の被害は、テレビ映像ではほとんど感じませんでした。やはり成都市街はそれほどの被害に遭わなかったのでしょうか。それはそれで良かったと思います。自然災害というのはどこの国でも結局は貧乏人、貧困地区が一番のダメージを受けるものですね。

三峡下りはもちろん未体験です。三峡ダムができる前に一度はと思いつつ、暇はあっても金がないので行かれずじまいでした。白帝城とかも行ってみたいなあ、と思います。


さて、何が言いたいかと言いますと、昨日の番組でも出ていた赤壁です。長江の岸辺、それこそ岸壁に「赤壁」と大書された場所があり、番組でもそこが紹介されていましたが、あれって大丈夫ですか?

あたしが学生の頃、あの「赤壁」と書いてある場所は、蘇軾か誰かが三国時代の赤壁と勘違いして書いた(揮毫した?)場所だというのが定説でした。つまり、 実際の赤壁の古戦場というのはそこから何キロか離れた場所(上流だったか下流だったか)だということです。今回の番組で映っていた場所、つまり赤壁と紹介 していたところは本当に赤壁の古戦場後なのでしょうか? なんらコメントもなかったですけど、ね。

ちなみに、「レッド・クリフ」パート1の公開時にも書きましたが、あたしは三国志を、赤壁のところだけ切り取って映画化するのは、やはり気に入らないんで す。確かに、三国志物語の最大のハイライトであることは確かですが、ハイライトであるからこそ劉備側の働きを、ほとんどありえないほど脚色して(最たるも のは孔明が風を呼ぶこと!)いますので、実事求是の立場からは首肯できません。もちろん歴史としての三国志ではなく、民衆が愛した物語としての三国志が ベースなのだということはわかっていますが......

別に赤壁のところで超人的な孔明の活躍を描かなくても、三国志のおもしろさってのは伝えられると思うし、孔明は天才軍師ではないでしょう? 確かに流浪の 身の劉備に将来を指し示したというのはすばらしいですが、巷間言われるように天下三分は古代に既にそういう発想がありましたし......。

孔明は有能な行政家ではあっても軍師としては大して有能ではないというのは、もう中国史ファンの間では常識だと思います。天才軍師だったら劉邦に使えた張 良の方がはるかに上ですね。それと多分に伝説が混じっていますが、孔明的な立場であれば春秋時代、斉の桓公に使えた管仲の方が上じゃないでしょうか?

そもそもレッドクリフでどう描かれているかわかりませんが、赤壁の戦いだけを取り上げると曹操はかなり情けなく描かれがちですが、実際には孔明と周瑜が力 を合わせても退却に追い込むのが精一杯だったほどの実力の才能の持ち主なんですよね。曹操軍の全体からすれば、赤壁など単なる局地戦です。確かにこの敗戦 で天下統一の夢は破れましたけど、それでも圧倒的勢力を維持しているのは曹操側ですし。

ま、いいや。今夜はテレビで「レッド・クリフ」放映になりますね。見てみますか。

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