プリンセス
『プリンセス・トヨトミ』読了しました。
せっかくだからと思い、先日の大阪出張の折りに地元の書店で買ったのですが、うーん、こういう結末にしたのか(!)、という感じです。あっ、決して悪い意味ではありません。
大阪全機能停止なんて謳い文句から、「首都消失」的なSFストーリーなのかと予想していたのですが、全然そうではなく、親子の情愛をにじませつつ、一昔前のような腕白な子供らを主人公に据えて描かれたほのぼのとした物語でした。
以下、ネタバレ的に書いてしまいますが......
せっかくだからと思い、先日の大阪出張の折りに地元の書店で買ったのですが、うーん、こういう結末にしたのか(!)、という感じです。あっ、決して悪い意味ではありません。
大阪全機能停止なんて謳い文句から、「首都消失」的なSFストーリーなのかと予想していたのですが、全然そうではなく、親子の情愛をにじませつつ、一昔前のような腕白な子供らを主人公に据えて描かれたほのぼのとした物語でした。
以下、ネタバレ的に書いてしまいますが......
あるのかないのか、実体不明のような大阪国という団体(?)。そこへ毎年多額の補助金が流れ込んでいて、その査察を通じて大阪国の実態を暴き、あわよくば大阪国を滅ぼそうというのが政府、東京側の秘めた思惑だったわけですが、そうとは知らずに会計検査に赴く検査官。検査官が大阪で知った真実とは......というのが大まかなストーリー。
会計検査院側の主人公が松平というのは明らかに徳川=江戸=東京というのを象徴していて、それに対する、本人も知らない秀吉のご落胤・橋場茶子は、橋場が羽柴秀吉、茶子は淀君の名前という風に豊臣=大坂=大阪を象徴しています。
その他にも登場人物はすべて、当時の武将や大名の名前をもじった命名になっていて、だから名前を見ればどっちの立場の人か一目瞭然なのですが、その中で一人、検査員側のメンバーに旭という美貌のハーフ女性がいるんですが、この名前にずっと引っかかっていました。
旭は旭姫、秀吉の妹で、秀吉によって嫁ぎ先から強引に引きはがされ家康に嫁いだ女性のことですよね。つまり、大阪側のスパイ(?)という思いを抱きながら読み進めたんですけど、結局は、彼女は大阪出身で、若い頃から大阪国のことを知っていた(うすうす感づいていた)というオチでした。
なかなか面白い趣向でした。万城目さんは大阪出身ですから、やはり大阪国を滅ぼすような結末にはできませんよね。あたしは途中から、最後は大阪国滅亡で終わるものだと思って読んでましたけど。
会計検査院側の主人公が松平というのは明らかに徳川=江戸=東京というのを象徴していて、それに対する、本人も知らない秀吉のご落胤・橋場茶子は、橋場が羽柴秀吉、茶子は淀君の名前という風に豊臣=大坂=大阪を象徴しています。
その他にも登場人物はすべて、当時の武将や大名の名前をもじった命名になっていて、だから名前を見ればどっちの立場の人か一目瞭然なのですが、その中で一人、検査員側のメンバーに旭という美貌のハーフ女性がいるんですが、この名前にずっと引っかかっていました。
旭は旭姫、秀吉の妹で、秀吉によって嫁ぎ先から強引に引きはがされ家康に嫁いだ女性のことですよね。つまり、大阪側のスパイ(?)という思いを抱きながら読み進めたんですけど、結局は、彼女は大阪出身で、若い頃から大阪国のことを知っていた(うすうす感づいていた)というオチでした。
なかなか面白い趣向でした。万城目さんは大阪出身ですから、やはり大阪国を滅ぼすような結末にはできませんよね。あたしは途中から、最後は大阪国滅亡で終わるものだと思って読んでましたけど。
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