2009年3月 1日

関西でできないか?

先日、ジュンク堂新宿店でトークイベントがあったと書きました。その他にも東京の書店では、あたしの勤務先からの刊行物絡みであるかないかを問わず、いろいろなイベントが行なわれています。

不勉強にして、この手のイベントが地方の書店さんで行なわれているのかどうかは知りません。ただ、地方へ出張に出た折に書店を回っていて気づくのは、やはりサイン会とかトークイベントってのは少なめで(そもそも書店の数が少ないし......)、あったとしても大手出版社の有名作家の方のサイン会ってのが多いような気がします。

実際にそうであったかどうかは別として、なんとなくイメージとして浮かぶのは佐伯泰英さんとか浅田次郎さんとか、そんな感じ。つまり本が万単位で売れていて、確実な集客が見込めるようなイベントばかりです。

あとは地道にトークイベントなどをやっている書店さんも決して少なくないようですが、やはり東京と比べると、少ないし地味ですね。

なんでそうなのかと言われたら、なんて答えましょう? だったら、お前の会社で企画しろ、と言われても、なかなか難しいです。

なんで難しいのかってことを一言で言ってしまえば、金がない、金が出せないからです。

地方、これは別にどこでもいいですが、あまり片田舎では集客が厳しいでしょうから、そこそこの都市でないとまず実現可能性がゼロに近いと思いますが、そういう都市でトークイベントやサイン会(トークイベントの後にはサイン会があるものですが......)をやると仮定してみましょう。

もちろん書店側の都合もありますが、スケジュールのすりあわせなどはこの際割愛です。

まず、イベントの主役を決めないといけません。集客が期待できる有名人、といっても所詮、海外文学をメインとした出版社なので、著者ではなく訳者に依頼することが多くなります。柴田元幸さんをはじめ、いまや著者は知らないけど訳者なら知っていると言われるくらい有名な翻訳家の方も多いですが、たぶんそういった方に依頼することになると思います。

で、その地方在住の方ならよいのですが、そうでなくて東京在住、あるいは全然別の地方に在住の方なら、当然イベント場所までの交通費を出さないといけませんし、たぶんイベントは夕方から晩が多いので(その後、打ち上げなんかがあったらなおさら)、その晩はその都市へ泊まることになり、宿泊費もかかります。

そういった諸費用を、それでなくとも出版不況で台所事情が苦しい中小、零細出版社が出せるでしょうか? かなり難しいと思います。これが仮に数百人規模の人数を集める大きなイベントで、お客さんから一律いくらかの入場料みたいなものを徴収し、それを当てることができるなら事情が異なりますが、たぶn数百人集めるとなると入場料収入は場所代に消えるでしょう。

となると、やはり一番手っ取り早いのは、東京などからご足労願うのではなく、その地方に在住の方のイベントを開くことです。ただ、そうそう都合よく作家さんなり評論家さんなりがいるのか、そこが問題です。

ただ、幸い京阪神なら、東京に次いで、そういう方が多いと思いますので実現の可能性は、他の都市に比べると高いのではないかと思います。そんなイベント、そのうちやってみたいなあと思いますが......

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