2009年3月10日

2009年03月号

営業回りでは第一印象が大切ですが、文庫クセジュの新刊『ファッションの社会学』には、なかなか啓発されるところが多々あります。「エレガントな女性は一日に三度服を着替える」などと言われると、書店を一軒訪問したら着替えをして次へ向かうことになりかねません。

またダンディズムについて、色調の調和を唱えるのはわかるとして、服装と建築との関係を強調というのは、同じデザインという枠組みで語れるとはいえ、両者をすぐに結びつけるのは、ファッションに無頓着な者にはちょっと難しいです。

しかし、本書においてより身近なのは、ファッションおいて「上層階級をコピーするのは下層階級」とか、「服装の第一の機能は支払い能力の証拠」といった言葉です。「着用者が比較的高額な消費ができることを示す」と言われるとワゴンばかりをあさっている身には耳が痛いです。

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