2009年2月21日

エクスリブリス@恵文社

今回の出張では、前々から気になっていた書店「恵文社一乗寺店」も訪問しました。



ちょっと市街からは外れた場所にありますが、決して交通不便な立地ではありません。叡山電車の一乗寺駅から徒歩数分ですね。

で、印象ですが、思ったよりも広いお店でした。雑貨売り場とかギャラリーなども併設されていて、一見すると書籍も扱っているアンティークショップのような雰囲気です。お店の中もゆったりとした琥珀色の時間が流れている感じです、品のよいセレクトショップの趣があります。

非常にベタな喩えをしてしまえば、品よく女の子向けにまとまったヴィレッジ・ヴァンガード、ってところでしょうか?



お土産に、というわけではないのですが、近々、あたしの勤務先から新しい海外文学のシリーズ<エクス・リブリス>が刊行開始になるので、エクスリブリス、すなわち蔵書票を買ってみました。

日本や中国などアジアは蔵書票よりも蔵書印の文化ですよね。ヨーロッパは蔵書票なんですよね。蔵書票はコレクターもいるんだとか。もう美術品なのですね。

しかし、こういうお店。

客としてくるぶんには、とても愉しくて居心地のよい書店だと思います。どうしてこういう本を並べているのか、きちんとしたお店側の主張が感じられます。

これって逆に言えば、出版社の営業マンとしては営業がやりにくい、という言い方もできると思います。

確かに、新刊や売れ筋の案内をして「じゃあ、それ、並べてみましょうか」というやりとりで注文をとってくる、ごくごく一般的な書店と比べると、はっきりとポリシーを持って本を選んでいるお店というのは攻めにくい(?)ものです。

この不景気、注文を取れない書店に営業に行く必要はない、とも言われそうです。確かにそれは営業という見地からすれば一つの正解であると思います。

でも、こういう書店を覗くことによって、他のお店へ行ったときに、こういう本の並べ方をしたら面白いのではないかというヒントをもらったりできますし、なにより本を愛する、というか「本を愉しんでいる」書店員さんとお話をするのは、こちらも愉しく、またためにもなります。

注文という形ではないですが、十二分に営業成果になっていると思うのですが......

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