2009年2月 9日

漢検

このところ騒がしいですね、漢検。

ちなみに、最新のATOK2009だと「かんけん」で「漢検」と変換できます。2009からの機能でしょうか? それとも以前のバージョンからできましたでしょうか?

閑話休題。

漢検の胴元が儲けすぎだそうで。

儲けすぎなんて言葉、もう出版業界では長いこと聞いていません(汗)。たぶん、この先もかなり長いこと聞かれることはないのではないかと思われます。

儲けすぎなどきな臭い話はおくとして、漢検がブームになっていると感じたのは20年くらい前です。あたしがちょうど大学を出て大学院に進学した頃です。

なんで、そんな風に覚えているかというと、漢検が世間ではブームになっているというのに、後輩たちの漢文読解力が全然上がっていなくて、むしろ年々下がっていると感じていたからです。


あっ、書き忘れていましたが、あたしは大学時代、中国哲学を学んでいました。論語とか老子とか、あるいは史記や三国志といった古典を読んでいたと思っていただければ、当たらずといえども遠からず、です。

で、後輩の漢文力の話ですが、確かに中国哲学をやる学科に入ってきた新入生が漢検を受けていたとは思いませんし、むしろあの当時では受けていなかった人が大多数だったと思います。

でも、世間では漢字ブームで、かなりへんてこな漢字を読めることが自慢の種になっていたので、そういう世間の洗礼は受けてきていると思って、後輩たちの実力に期待していたのですが......

まあ、冷静に考えれば漢字が読めることと漢文が読めることとは全く能力として異なるわけなので、あたしとしてはかなり単純に両者を結びつけてしまっていたわけです。でも、漢字にこれほど興味が高まれば、その母体となった中国の古典世界に興味が沸くのが人情ではないかと思ったんですけどね。

結局、現在はあの当時よりも遙かに漢検ブームですが、恐らく今もあたしの後輩たちの漢文力はそれほど向上していないのではないかと思われます。受験から漢文が消え、高校でも古典の比率が下がっていてはやむを得ませんね。

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