2008年12月 4日

レッド・クリフ考

最初に断わっておかないとならないのは、あたしは映画「レッド・クリフ」を見ておりません。今のところ差し迫って見る予定もありませんが、とりあえず現時点では未見です。

だったら文句など付けるなと言われそうですが、巷ではなかなか興行成績がよいみたいですね。でも、あたしの会社の同僚で見に行った人が「長すぎる」と不満たらたらだったので、さもありなん、と思いました。でも実際には長くなりすぎて、結局今回の「レッド・クリフ」は<前編>になってしまっているんですよね? 来年には後編公開ですか・こっちも長い映画になりそうな予感がします。

そもそも「レッド・クリフ」というタイトルからもわかるように、「三国志」の物語のハイライトの一つ、赤壁の戦いのみに焦点を当てたこの映画、日本全国に多数いる三国志ファンにはどう映っているのでしょうか?


そもそも「三国志」って、十年くらい前でしょうか、2時間アニメだったかがテレビでやっていたのを見ましたけど、これも2時間に強引に収めたようなストーリーで、それにゴレンジャーなどの戦隊モノっぽい衣装デザインだったので興ざめしたのを覚えています。

やはり『三国志』ってのは映画には向かない作品だと思います。中国でもテレビドラマとして全数十回の長編が何度も放映されていますよね。(ちなみに今もスカパー!の中国語放送でやってます。) 日本でも、やるなら大河ドラマのように1年通しでやるくらいの意気込みで作って欲しいものです。どんなキャスティングになるか、お願いだからジャニーズのタレントを使うなんて暴挙だけは辞めて欲しいですが。


ところで、このレッド・クリフの影響でしょうが、書店を回っていると「三国志」コーナーやフェアをやっている書店が多いですよね。でも、それらを見て、あたしは軽いショックというか眩暈というか、ゼネレーションギャップなどを感じます。

あたしにとって「三国志」といえば吉川英治であり、コミックなら横山光輝です。それ以外にはあり得ませんし、せいぜい柴田錬三郎や陳舜臣でしょうか。

ところが、今やっている三国志フェアでこの手の作品を並べているところってごく少数なんです。フェアをやるスペースの都合もあるのでしょうが、あたしの知らないと言っては言い過ぎですが、なじみのないコミックが所狭しと並んでいて、小説の方も北方謙三や宮城谷正光なんかが並んでいるんです。

こうなると「三国志」を何で親しんだかという根本的な部分でギャップが生まれてしまいますよね。これが年を取るということなのか......。でもって、これも昨今流行の「古典新訳」ってことなのでしょうか?

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