2008年12月 2日

外国語学習の科学

岩波新書です。

幼児が自然と母語を身につけるのではなく、母語以外に別の言語を身につけることに関する欧米(主としてアメリカ)の研究成果をわかりやすく説明した本です。

へえー、外国語の習得について、こんなことまで研究が進んでいるんだ、このあたりはまだ不十分なのね、といった個人的には非常に興味深く、新鮮な驚きで読み終わりました。

ただ、どうしても語学の習得という、客観的には測りにくい事象の研究ですから、結論が出ていない点も多く、読んでいて歯がゆくなることもしばしばでした。



でも、そんなことより、あたしが読んで感じたのは、あたしの勤務先のように諸外国語の教材を出版している会社としては、やはりこういう研究成果を十分に踏まえて教材を作っていかないと行けないんじゃないかなあ、ということです。

もちろん、編集者だけの問題ではなく、実際に執筆をしていただく著者(=ほとんどの場合、大学の語学教師)にも、こういった語学習得の研究成果に基づいた教材作成をお願いしたくなってしまいます。

しかし、日本の大学で語学を教えている人たちのどのくらいが、こういった第二語学習得の特別な訓練を受けているのでしょうか?

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