2008年11月12日

YA(ヤングアダルト)って?

ヤングアダルト出版会という団体があります。二十数社の出版社で作っている団体です。ヤングアダルト図書の普及を図っています。あたしの勤務先も、長いことこの会に参加しています。

でも、そもそもヤングアダルトって何よ、という疑問がついてまわっています。詳しくは上記の公式ウェブサイトに譲るとして、日本ではどうしても「アダルト」という言葉からアダルトビデオ、風俗的なもの、青少年の教育にとって好ましくないもの、的な先入観を持っている人が多いみたいです。

もとはアメリカ初の試みで、アメリカでは日本で言う中高生向けの図書のジャンルとして「ヤングアダルト」というのあるそうで、本屋や図書館などでもヤングアダルトコーナーが設けられているそうです。



確かに、もう少し子供の頃、つまり小学校の中学年くらいまでなら絵本とかそれに類するもの、極端に言ってしまえば自分で読むのではなく人に読んでもらうもの、が本の役割でした。

で、そういう本を卒業して自分で読むようになった時に、いきなり大人が読んでいるような本で歯ごたえがありすぎる、小学校高学年から中高生が気軽に読めるような本をもっと紹介しようというのが主目的なんです。

でも、中高生って本読みますかね? と言われそうですが、各種のアンケートでも中高生は意外と本を読んでいます。読んでいないのは30代、40代の大人の方なんです。でも、どうしても中高生というと今ならさしずめケータイ小説っていう思い込み強いですよね。

実はつい先日、とある書店で担当の人を探しながら書棚を眺めていたときに、高校生らしい女の子が二人くらいでやってきて、「どこどこ?」「あっ、ここだ、ヤングアダルトって書いてある!」「ああ、ホントだー」といって、あたしが眺めているそばの棚のところへやってきました。

でも、ちょっと棚を見回して、「あれ、ここじゃないじゃん」「ケータイ小説、置いてないね」「めんどくさそうな本ばっか」と言って、本も手に取らず去っていってしまいました。

うーん、やはり「ヤングアダルト」というコーナーを作っていても、ターゲットとなる生徒たちには「ケータイ小説コーナー」としか思われていないのでしょうか?

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