ばかもの
書店回りの途次、仲良しの書店員さんに勧められるまま『ばかもの』(絲山秋子)を買い、一晩で読み終わりました。
厳密には帰りの電車の中とその晩、そして翌日の朝、会社へ着くまでの電車の中で読んだのですが、トータル3時間半ってところでしょうか?
厳密には帰りの電車の中とその晩、そして翌日の朝、会社へ着くまでの電車の中で読んだのですが、トータル3時間半ってところでしょうか?
主人公はダメ男です。アル中になって入院して、出てきたら昔の女とよりを戻して、てな話です。
全然感情移入できない本でした。じゃあ、面白くなかったの、と聞かれると、他人のアホな恋愛話を聞かされている感じで、それはそれで面白かったです。
そもそもが恋愛経験に乏しい、というよりほとんどないあたしには、こういった主人公の生き方はとてもできませんし、あたしと全く重なるところが感じられないんです。
でも、不思議と周りに恋人がいたり、親身になって忠告してくれる人がいる、羨ましいヤツです。たぶん、こういうダメな人って、周囲の人からすると(←全員がそうとは限りませんが)放っておけない人なんでしょうね。
この主人公と比べて、偉そうに自分がきちんとしているとは言えませんが、この主人公からすれば極めて真っ当な人生を歩んでいる、平凡を絵に描いたようなあたしなどの場合、たぶん周りの人も放っておいてくれてしまうのでしょう。
で、むしろあたしの場合、この主人公と関わり合ってしまった女の目線で読んでしまいました、途中から。そして、「もう、どこかへ行ってよ」「二度とあたしの前に現われないで」という気持ちでした。
結局昔の恋人とよりを戻したような感じですが、たぶん、その後もそれほど幸せにはなれなかったんじゃないかなあ、と思えます。
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