漢文用のウェブページと言っても、それほど大それたことを述べようと思っているわけではありません。ただ、普通には出てこない漢字を使ったページをどうすれば作れるか、と言うことをとりとめもなく書くだけです。いわゆる多言語ページということです。 まず、中国古典などを表示する場合、「漢字が出てこない」という問題があります。これらについてはワープロソフトの「MS-Word」や「一太郎」では、ある程度解決できています。それは内部処理にユニコードを使っているからです。ユニコードについては、ここで書き出すと面倒臭いことになりますし、そもそも私にはそれを要領よく簡単に解説するような力量がありませんので、「ユニコードを使えばたくさんの漢字が使える」とだけ覚えておいてください。 さて、結論から言ってしまえば、この「MS-Word」や「一太郎」で作った文書をそのままホームページ用の文書、すなわちHTML文書にしてしまうのが手っ取り早い方法です。幸い、最新の(一つくらい前のバージョンも?)「MS-Word」や「一太郎」は保存する時に「HTML文書で保存」することが出来るようになっています。この機能を使えば、簡単に出来てしまうのです。この時、文字コードを「多言語」「UTF-8」で保存するのも忘れないでください。 以上が、第一の方法です。次に二つ目の方法として、アドビ社の「Acrobat」を使う方法があります。これも基本的には「MS-Word」や「一太郎」などであらかじめ文書を作っておき、AcrobatでPDFファイルに変換するのです。Acrobatは最新バージョンでは日本語フォントの埋め込みにも対応しましたので、文書の中で使用したフォントを埋め込んでおけば、出来上がりです。PDFファイルを閲覧するための「Acrobat Reader」はパソコンにプリインストールされていることもありますが、そうでなくても雑誌の付録CD-ROMなどに収録されていますので、無料で手に入ります。ですから相手(閲覧者)にそれほどの負担をかけずにすみます。 これが第二の方法です。次に三番目の方法ですが、通常の日本語文書では出てこない文字を画像で表示する方法です。これも「今昔文字鏡」というソフトが市販されていて、8万字の漢字の画像が提供されています。まず、大抵の漢字はこの中から見つけ出すことが出来るでしょう。 また、画像を使うというやり方なら、現在最も売れているホームページ作成ソフト「ホームページビルダー」でWEBページを作る場合にも使える方法です。ただ問題は、あくまで画像ですので検索などが出来ないということです。もちろん、ファイルサイズが大きくなる、文字の部分と大きさが揃わないといった問題もあります。 ただ、あくまで日本語文字コードで作れますので、かなり多くの方に普通に見てもらうことが出来るというメリットがあります。ホームページのように情報の公開を目的としている場合、多くの人が特別の工夫や苦労もなく閲覧できるというのは、相当なアドバンテージでしょう。 以上、三つの方法を並べてみました。実際には更に別の方法(高度な方法?)もあります。ただ、私自身もそうですが、ここをお読みの方には、それらの方法に挑んでも、消化不良になってしまう恐れがあります。ですから、あえて最も簡便な方法を三つ採り上げてみました。 より高度な方法などについては以下のサイトをご覧くださいませ。 電脳瓦崗寨:http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/ 新電気漢文箱:http://nika01.hum.ibaraki.ac.jp/%7Enikaido/ 漢字文献情報処理研究会:http://www.jaet.or.jp/ 文字鏡研究会:http://www.mojikyo.org/ また書籍では 『漢字文献情報処理研究』 『電脳中国学』『電脳国文学』 『パソコン悠悠漢字術』 などが有用です。 |