東アジア「反日」トライアングル
この前に読んだ「俺様国家...」に比べると、著者が大学の教員だけに、話の進め方に乱暴さは少ないです。著者の専門は北朝鮮や韓国と言うことで、中国 に関しては著者独自の論と言うよりも、他人の著作やマスコミ報道などからの情報で構成した感があり、朝鮮問題ではなかなか面白い話が書かれているので ちょっと残念です。
ただ、全体としては好きであるからこそ、その反動で嫌いになってしまったとでも言うのでしょうか、中国・韓国・北朝鮮を見下している風が感じられました。
それでも、韓国・台湾を近代の真っ只中、中国を近代に入りつつある頃、北朝鮮を中世と見るのは興味深い視点です。たぶん明治から昭和初期にかけての日本って、当時の欧米の先進国から見たら、今の中国・韓国のような感じだったのかなあ、と思いました。
さて、著者は長い間韓国に滞在し、それなりに韓国という国を見たと思います。だからこそ見える、見えてしまう負の面というのはわかります。でも、それを本にまとめて日本人に知らせるというのも理解できます。
でも本当なら、そこから一歩進めて、それを乗り越えて隣国として分かり合えるためにはいかにすべきかを述べて欲しいと思いました。本書中で全く触れ られていないわけではないのですが、本書全体のトーンとしては、中国・韓国・北朝鮮は今のところどうしようもない国、という印象を抱かされてしまいます。
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