中国経済のジレンマ
『中国経済のジレンマ』読了。
この手の本は、もう何冊も読んでますが、この本は経済学や実際の貿易・経済の現場を心得ていないと、ちょっと難しいかなと感じます。あたしのように、経済学の数字がからきしな人間には、読み進めるのがかなり大変でした。
ただし、著者がトータルで主張していることはよくわかりますし、さすがに中国人だなと思わせる視点で興味深いところもあります。その一方で、日本在住だけに中国国内に暮らしていては気づかない部分にも目が行き届いていて、そういう意味でバランスの取れた記述だと思います。
格差が開きすぎてしまった中国は、日本やアメリカはその台頭をかなり驚異に感じているようですが、砂上の楼閣に近い経済発展、沿海地区の反映という気がします。
「そんなことはない、驚異だ」と主張する人も多いのでしょうが、少なくとも中国の指導部はかなりの危機意識をもって現在の安定を如何に維持するか、腐心しているのではないでしょうか。こういった論著を読むたびに、そう思います。
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