2005年7月 7日

中国艶本大全

『中国艶本大全』(土屋英明、文春新書)読了。

前半、といっても半分より少なく、三分の一くらいは、中国の淫書の簡単な歴史概説で、後半が主な淫書・艶本の抄訳になっています。

この抄訳部分、同著者による徳間文庫『房中秘記―中国古典性奇談』とほとんど同じと言ってよいような中身です。

さて、内容が内容だけに肩の凝らないさっと読める本ですが、説明などがやや端折りすぎていて、中国文学や中国史を専門としてない人などには、やや理解しづらい部分があるかと思います。

また土屋氏は後半の各翻訳の最初に付けた書誌学的解説が邪魔かもしれないと書いていますが、中国学専門の私には、むしろこの部分をもう少し学術的に膨らませて欲しい、と思うことしきりでした。(翻訳は徳間文庫の方を読めばいいのだから......笑)

ただ、こういった解説を加えたから『...大全』なんていう書名なんでしょうけど、このタイトルは、やや大上段に構えすぎの感がありますね。

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