2005年4月 6日

中国語対応のCGI

中国語に対応したCGIを、自分のホームページ設置したいと思っている方って多いと思います。かく言う私もその一人です。CGIを設置したいと思っ ている方であれば、「中国語対応となるとGBコードだよな」とか、「いや台湾だったらBig5だよ」ということは既に自明のことと思います。

でも、私たち日本人が作る(使う)となると、中国語だけが使えるようなCGIよりも、日本語も混在できるものの方が便利ではないでしょうか。となる とCGIは必然的にUnicodeのものとなります。それってどこにあるの、と思うかもしれませんが、ネット上で無料配布されている無数のCGIを改造す ればいいのです。ある程度の知識があれば、具体的言うなら、既製のCGIをカスタマイズしたことがあるなら、Unicode化もそれほど難しいわけではあ りません。

CGIスクリプトのUnicode化は、私も「旧・電脳文献」のコーナーで紹介しています。より詳しくは

電脳瓦崗寨

をご覧ください。上記サイトの「中文電脳」コーナーに「UTF-8で簡単多言語CGI 」という文章があり、懇切丁寧にやり方を書いてくれています。

また設置しやすいスクリプトを提供されている「KENT WEB」さんのCGIを中国語化したスクリプトを配布されているサイトもあります。これを使わせてもらうというのも、まずはよいのではないでしょうか。

もちろん日本人がCGIを配布しているように、中国でも無料スクリプトの配布サイトがあります。【中華篇】でそのようなサイトのいくつかを紹介していますので、興味のある方はご覧ください。

2005年4月 2日

多民族国家 中国

岩波新書『多民族国家 中国』読了。

中国は歴史的に多民族国家であった、周辺の文化を蔑視することはあっても、そこに住む人を蔑視したりはしない、という主張は他の研究者、他の著書でも書かれていることはありますが、このようにストレートに書かれると、しっかりと頭に入ってきます。

後半は現代のホットな話題、チベットと東トルキスタンの問題ですが、著者は中国人であるにもかかわらず、清朝から中華民国、人民共和国時代まで、比較的公平なスタンスで中国当局の周辺地域支配、少数民族政策を綴っています。

チベットや東トルキスタンは、近代の帝国主義の影響を受け国際問題でもあり、また中国自身の経済発展によって、必ずしもそこに住む人の大多数が独立を望んでいるわけではない、という記述も確かにその通りだと思います。

中国の歴史は、いわゆる近代の領土国家という考え方とは無縁だったので、国境線という考え方も、まだまだ百年程度の歴史しか持っていません。このよ うな全く異なる基準、物差しでチベットや東トルキスタンに向き合わなければならなくなった近代以降の中国の為政者は大変だったと思います。本書は、新書と いうスタイルのため、このあたりの記述にもう少し深みがあってもよかったのにという憾みが残ります。また、これはあたし個人の問題なのでしょうが、著者が 中国人なので読みながらいつも頭の片隅で、欧米の研究者ならどういう記述をするだろう、日本の学者はどう考えるのか、といった疑問が生まれます。

いずれにせよ、竹島や尖閣諸島など、ここへ来て日本も「領土」という問題を身近に考えざるを得なくなりましたが、周囲を海に囲まれ、それが事実上の 国境線を形成していた日本人には、本書は領土問題を考えるきっかけを与えてくれる一冊です。しかし、本書のタイトルは「多民族国家」です。タイトルから、 中国の少数民族のガイドブックを予想された方は肩透かしを食うでしょうね。