2005年2月 4日

タブーの漢字学

講談社現代新書『タブーの漢字学』読了。

タイトルから、「一般に●●という字が使われてますが、本来の意味からすると間違いで...」的な本かと思ったのですが、性表現や死に関する漢字の使い方(?)などをまとめたもので、「あとがき」によれば、著者の阿辻先生が学生時代から温めてきたテーマだったそうです。

個人的には、最後の実名を避ける<タブー>のところが一番面白かったです。中国学を専門にしている人には当たり前の事柄ですが、気軽に読めてこれだけまとまった分量のある文章は、少なくともあたしには初めてだったので、とてもためにもなりました。

逆に巻頭の性に関する部分は、阿辻先生が妙に気にされていて、言い訳がましい文面が多かったのが気になりました。ちょっと気にしすぎじゃない? と いうのが、最初読んだ時のあたしの率直な感想でしたが、逆に出版人の一人として、このくらい神経質にならないといけない問題なのかもしれない、と読み進む うちにちょっと考えが変わりました。

漢字については、阿辻先生はこれまでにも一般向けの著作を数多く書かれていますので、そのような本も含めお薦めです。

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