沙門空海唐の国にて鬼と宴す
夢枕獏氏の『沙門空海......』(全4巻)を読みました。
分厚い4冊本ではありますが、改行の多い文体のため、見た目ほどの分量ではないですね。(この改行の多い文体、慣れるのにちょっと時間がかかりました。)
それに中国モノは好きなので(笑)。
感想は、まあ面白いかな、でも空海をあまりにもヒーローにしすぎじゃないの? と思ってしまいます。書道界ではそれなりに名の知れた橘逸勢も空海の前ではただの狂言回しでしかないし。
楊貴妃を巡るロマンス、というには物足りないし、もちろん沙門空海にはその手の展開は期待できません。逸勢で、もう少し膨らませることも出来たので はないか、あまりにもすべてのことが空海に集約しすぎている、と思ってしまうのは、私だけでしょうか。小説の主人公(ヒーロー)なんて、どれもこんなもの なのでしょうかね。
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