上のトップ画像は北京五輪2年前ほどの北京・東単交差点だったと思います。バック画像は西安の兵馬俑博物館に展示されていた武俑です。

2005年1月30日

今年はどうなる、電子辞書

そろそろ春先の語学書シーズンについて考えないとならないのですが、例年にも増して辞典の売り上げが落ち込みそうです。原因は言わずもがな、電子辞書です。

昨春あたしは、電子辞書が紙の辞書のシェアを喰うと言えるようになるのはもう少し先になるだろうと、今から見るとかなり楽観的に考えていました。特 にあたしの勤務先が主として売っている語学の辞典は、大学生協での販売がそれなりのウェイトを占めていて、学校現場では<まだまだ紙>という意識が根強い だろうというのがその根拠でした。

ところが蓋を開けてみると、電子辞書の売り上げはこちらの予想を上回る伸びでした。昨今の新入生は高校時代に既に電子辞書を使っていた世代なので、 ほとんど抵抗無く使えるんですね。それに、こちらにとって頼みの綱である語学の先生方も、かなり多くの人が電子辞書を薦めている、薦めてはいなくとも生徒 に使用を禁止していない、状態なので、そうなると広辞苑も英和辞典も入っている電子辞書がお手軽になるわけですね。

紙の辞書をそれだけ買ったらかなりの金額ですが、電子辞書ならその何分の一、と言われますが、それだけの辞書を買いますか? と言いたいところですが、入学祝いに買ってあげる両親・祖父母が案外多いみたいです。

上に述べた先生方の肯定的評価というのも、昨今の電子辞書は収録されている辞書が本格的なものになり、また使い勝手が格段に改善されているというの があるようです。こうなるとこの春の紙の辞典の売れ行きはますます哀しいものが予想されますね。ああ、どうしたらいいのでしょう。

今日は、「外国語の電子辞書」コーナーのリニューアルをやっていたので、なんかこんな気分に浸ってしまいました(T_T)。

2005年1月29日

近いようで遠かった

昨日(28日)は、某書店チェーンの新年懇親の会とやらで、武蔵溝の口へ行きました。(って、これだけでわかる人には、某書店チェーンがどこなのか わかってしまいますね...^^;;) それにしても、すごい人、人、人。会場が決して狭いわけではないのに、やはりあれだけの人が集まると酸素が足りないで す。それにタバコの煙、煙。

あたし、タバコが苦手なので、早々に退散です。なにせ、タバコって、生まれてこの方、くわえたことすらありません。「学生時代、一度くらいふかして みるでしょ?」と言われても、既に高校の頃から、タバコって触ったことすらないので。わが家は、亡くなった父がスモーカーだった以外誰も吸わないので、あ まり縁がなかったのです。

そういうわけで、ああいう席は大の苦手です。それにこの書店チェーン、ふだん顔を出しているお店は二店か、三店。ですから全国の店長連中が集まって ても、ほとんどの人は、今までも、そしてたぶんこれからも縁のなさそうな人ばかりです(←それじゃいけないだろ、営業マン!)。

さてさて、その武蔵溝ノ口からは南武線で立川へ出て中央線で東へ向かうという帰路を選択したんですけど、南武線って意外と混んでいるんですね。それ に立川までも案外遠いし...。考えてみれば溝の口が田園都市線、登戸で小田急線、府中本町で武蔵野線、分倍河原で京王線と乗り換えられるわけですから、あた しが知らないだけで東京西部の大動脈なのかもしれません。ふだん乗らない電車って、ちょっとワクワクするので好きです。


そんな一日、印象に残っているのは、その新年会の閉会前の大セレモニー、社長の「マツケンサンバ」。もうちょっとダンスの練習してよ、と思いつつも、きち んとラメの着物を着て、白塗りまでして。うちの社長じゃ、あそこまでやらないよね、ノリが悪いから。なので、この社長さんには敬意を表します。それと午後 の書店回りで、店内に流れていたU2の「Miracle Drug」。これ、昨年出たアルバムの2曲目で、ものすごく気に入ってる曲だったので、すごくうれしくなっちゃいました。

2005年1月27日

重版と書評の微妙な関係

昨年、あたしの勤務先から刊行された『おわりの雪』が、この週末にBSのブックレビュー、日曜日の朝日新聞、来週末のTBS系王様のブランチで、相次いで取り上げられることになりました。読売新聞でも書評に載るとの情報もあり、刊行から数ヶ月を経て、ようやく火がつくか、といったところです。

それをみこして、本日重版が出来上がってきたのですが、上記の情報を知り合いの書店山筋に既に流しているので追加注文がかなり来ていて、重版分が今 日一日できれいになくなってしまいました。朝日の書評はこの水曜日に入ってきた情報なので、これを聞いてさらなる追加注文が予想されますし、現に来ていま す。

刊行後これまで、決して飛ぶように売れていたわけではないので、各店で何冊か在庫を持っているところも多いようなので、さて、重版をかけて吉と出る か凶と出るか、悩ましいところです。せっかく書評などが続けざまに出て勢いづきそうな時に、肝心の本がないんじゃ洒落にもなりません。かといって、一つ間 違えば重版分がまるまる残る、一年後には断裁、なんてことも少なからず経験していることですし......。

少なくとも今のところ、書店さんからの電話注文も順調で、実際に書店へ営業で回ってもいい感じで追加注文がもらえます(売れ残ったら返品とりますからね! おっとオフレコ)。結果として重版分の3分の1、4分の1くらいが余るというのが理想ですかね。

それにしても毎度毎度、悩ましい重版のタイミングです。

2005年1月25日

こんな書店もあるのね......

あたしは、書店営業をしているのに、実は書店の動向とか、よく知りません。否、出版界のこともよくわかっていないと思います。だから、会社の会議で 古参の人が「そんなことはできない」というと非常に不思議に思うことがしばしばです。これまでの慣行のよい部分というのも確かにあるのでしょうが、他の業 種から見ると、どうみてもおかしいと思えるような部分が多々あるのが出版界だと思います。と言っても、あたしは出版社以外に勤務したことがないので、実は 各業種、各分野それぞれにおかしな慣行、いわゆる宿痾というのはあるのでしょうけど。

さて、そういう訳なので、既に同様の取り組みをしている書店もあるのではないかと思うので、そういう方には大変失礼な発言ですが、最近読んだ『中国語はおもしろい』(新井一二三/講談社現代新書)の中にこんな記事がありました。

そして、巷の大衆向け書店とは一線を画すように、誠品書店は読書人向けの大判月刊誌「誠品好読」も出している。ページを開くと、 地元の話題ももちろんあるが、他の華人社会を始めとする世界各地の出版動向などに、少なからぬ紙幅がさかれている。世界は今何を読んでいるかに強い関心を 持ち、同じものを読もうとする層がはっきり存在するのだ。こうした情報を日本の書店が積極的に発信している話を聞かないのはどうしたわけだろうか。

以上は、台湾にある書店(誠品書店)について語ったものです。いま、あたしたち読者は、世界中の本を手に入れようと思えばインターネットで手に入りますし、その気になってインターネットで調べれば、同等レベルの情報も入手できるのでしょうけど、やはり自分でやるのって大変ですよね。

こういったもので思い浮かぶのは、あたしの専門から言えば、東方書店や内山書店が毎月出している中国書籍(大陸・台湾・香港、洋書も若干)の情報誌です。懐具合が悪いので、欲しい本全部は買えませんが、こういった目録って見ているだけでも楽しいですね。

ところで、あたしの勤務先は多くの翻訳書を出してますけど、その著者の他の作品にどんなのがあるのか、ってことも情報として自社のサイトで発信した らどうかと思います。既に日本の他社から邦訳が出ているものもあるでしょうし、出ていないもの(出る見込みのないもの?)もあるでしょう。でも、そういう のがリストアップされているだけでも、研究者(特に大学で論文を書かないといけない学年の学生!)には重宝されると思うのですけど。
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