上のトップ画像は北京五輪2年前ほどの北京・東単交差点だったと思います。バック画像は西安の兵馬俑博物館に展示されていた武俑です。

2006年1月12日

2006年01月号

アジア太平洋賞に続き大佛次郎論壇賞も受賞して、ますます好調の『中村屋のボース』は既にベストセラーからロングセラーになっています。それなの に、いまだに新宿中村屋でカリーを食べたことがありません。情けないことに、中村屋がカリーで有名だということも数年前までは知りませんでした。

むしろ中村屋と聞けば、コンビニのレジ横に、この季節になると登場するホカホカの白い塊・肉まんを反射的に思い浮かべてしまいます。中村屋のボースと聞いて、その中村屋に肉まんの製法を伝授した中国人の話だと思い込んでいた人も少なからずいるのではないでしょうか。

そんなベストセラーも登場した昨年は、小社の創立九十周年でした。特製図書カードプレゼントにたくさんのご応募、ありがとうございました。当選の方にはもうすぐ図書カードが届きますので、今しばらくお待ちください。

2005年11月 8日

2005年11月号

新刊『さまよえる湖』は数多いシルクロード本の中でも古典中の古典です。かつては人跡未踏と言ってもおかしくないくらいに辺境であったシルクロードも、現在ではパックツアーでロプ・ノールや楼蘭を手軽に訪れることができるようになりました。

同書を繙いていて、自分もいつかは訪れてみたいという気になりましたが、世間で言う中年になりつつあるので、体力に多少の不安があります。老いてま すます盛ん、とはいきませんが、この程度の旅行には耐えられる肉体を作らなければと考えていたところ、少し前に『金子兜太養生訓』が刊行されていました。 狙ったわけではないですが、全くジャンル違いの両書が、私の中では見事につながったのでした。

2005年9月13日

2005年09月号

この春から小社の各種案内などに登場している、シルクハットに眼鏡をかけ、豊かなひげを蓄えた老人にお気づきでしょうか。書店を回っていると「この人誰ですか」などと聞かれることがあります。

実は筆者もこの翁について何も知りません。社内には知っている人もいるのではないかと思われますが、広く告知されたことはありません。

眼鏡が90の形になっているので、小社の九十周年を祝ぐために、どこからともなく現われたらしいのです。たぶん年齢は九十歳。小社創立の年に生まれたのでしょう。

一説によると創業者・福岡易之助の遠縁にあたる者だとか。家族はいるのか、本名は何というのか、すべて謎だらけです。社内では「九十じいさん」と呼 ばれていますが、詳しいことがわかり次第、順次ご報告したいと思います。ひょっとして帽子からハトを出してくれるのでしょうか。

2005年7月11日

2005年07月号

このところよく売れている刊行物に『父 荷風』『澁澤龍彦との日々』があります。少し前には『わが父 波郷』が売れました。どれも家族の目を通して 見た著名人というのが共通点です。「家族なら他人にはうかがい知れないことまで知っているだろう」という点が、読者の興味を引くのでしょう。

ところで、澁澤龍彦ですが、ワープロ泣かせの名前です。「彦」の上部は「立」ではなく「文」ですが、これは入れ墨を表わしています。入れ墨をした立派な成人男子のことを「彦」と言うのだそうです。

一方、「荷風」は当然「永井荷風」のことですが、好評既刊『荷風のリヨン』が出た時には「ニカゼノリヨン」という問い合わせが多かったです。このと ころ荷風本が各社から相次いで刊行されていますので、「荷風」とあるだけで、きちんと「カフウ」と呼んでくれる人が増えることを期待します。
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