営業マンと記憶力
たまたま知り合いの書店員さんと話をしていた時の話題ですが、その書店員さん曰く、版元の営業の人って一回逢っただけで顔と名前を完璧に覚えちゃう んだと思ってましたと。あたし、答えて曰く、時々印象の強い人を一回で覚えちゃうこともありますけど、ほとんどは三、四回逢わないと覚えられないですよ。
うーん、確かに他の版元の人やあたしの勤務先の人の話を聞いていると、一回で覚えちゃうと言っている人が何人もいるんですよね。これって営業マンと しては必須の才能(能力?)なんでしょうか? だとしたら、あたしなんか完全に失格ですね。ちなみにあたしの母はもう六十を超えてますが、一回逢えば顔を 覚えちゃうと言ってますから、遺伝的な問題ではなさそうですね。
もちろん、あたしにだって一回で覚えちゃった人ってのもいますし、二度目に書店に行った時に「あ、確かこの人一度逢ってる」と感じることもあるんですけど......。もちろん、好みの女性(それに男性も!)の場合は、一回で覚えちゃいますけど(笑)。
あたしと同期入社のもとから営業マン(だから営業マンとしては先輩)は、二十代の頃はほぼ完全に一回で覚えられたけど、三十代になったら覚えられなくなったと言ってました。
それって結婚して女の子に興味なくなったから、と聞いたら、自分の好みの女性でもやっぱり覚えられなくなってきているという話だったので、やはり加齢からくるものなのでしょうか。
それでもあたしたち版元の場合、たいていの書店員さんは胸に名札を付けていてくれるので、「あ、この名前覚えてる!」てな感じで手がかりがぶら下 がっていますが、書店員の方は「うーん、この人名前なんだっけ? どこの出版社の人だったっけ?」ということもしばしばではないでしょうか。
でも、名札をジロジロ見られるのも、書店員さんからすれば、あまりいい気分じゃないでしょうね。「あ、この人まだ名前覚えてくれてないんだ」と思うのでしょうし。
で、最初の書店員さんとの話に戻って、なんであたしが人の顔を覚えられないのかと考えてみますと、基本的に他人に興味がないんですよね。よく趣味は 人間観察なんて言って、一日中喫茶店で街行く人を眺めて楽しんでられる人っていますけど、あたしはダメです。それに内弁慶なもんで、仕事がら参加する語学 の学会の懇親会でも、知らない人に積極的に話しかける(ビジネスライクに言えば、名刺配り?)なんて出来ません(←威張って言えることじゃないですね)。
やっぱり、あたしって根本的に営業マンに向いていないんじゃないかと思う今日この頃です。
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