黒い時計の旅
『黒い時計の旅』読了。
ずいぶん時間がかかってしまい、やっと読み終えた、ってな感じ。しかし、あまり文芸作品を読まない身には「なんだか、よくわかんない」「話の筋すらつかめないよ」という悲鳴を上げながらの読書体験でした。
主人公(作中の「私」とか「彼」など)が突然変わっていたり、章が変わると全然違う話の筋が始まっているような......。文芸ファンなどは、こういう作 品を称して、複雑に練り上げられた作品世界、なんて言うのでしょうが、あたしにはとてもついていけないよー、と弱音を吐いてしまいそうになることが何度も ありました。
で、結局エリクソンは何を書きたかったのだろう、何が言いたかったのだろう、と考えてもわかりません。素直に読者が楽しんでくれればよかったのでしょうか?
ただ後半、というか最終盤、老境に入りつつある主人公が悪い足を引きずりつつ、老人(ヒトラーの成れの果て)を連れて放浪するところでは、別にあた しが足を引きずっているわけではありませんが、十年以上前に亡くなった父の晩年を思い出しました。自分では食事も排泄も風呂もできず、あたしや母がすべて 面倒見てやっていた最晩年の父を思い出しました。
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