団塊世代の経験(出版界の場合)
昨日の新聞にも載っていたのですが、このところ団塊世代の一斉定年退職、すなわち日本経済を支えてきた技術・ノウハウの消失ということが言われています。
確かに本人が辞めてしまう、その場からいなくなるというのは大きな損失、痛手でしょうが、団塊世代の定年なんてずっと前からわかっていたわけで、きちんと手を打っておくのが常識なのではないかと思います。
ただ、工場など技術系の職場の場合は、この問題も深刻なんでしょうけど、こと出版界の場合、団塊世代の人たちの蓄積してきたことって継承する必要があるのだろうか、と思ってしまいます。
再販制や長引く不況、売れなくてもいいから新刊を大量に出し続ける悪循環......。この業界が曲がり角にさしかかっているのは、とうの昔に見えていたわけで、時代に合わせて舵を切れなかったのは、まさに団塊世代のオヤジたちのせいではないでしょうか?
十年前、否、二十年、三十年前は書店に行けば注文をたくさんもらえたような時代があったとか。確かに自分の子供の頃を思い出してみると、小学館や平 凡社の百科事典の訪問販売とかあったような気がします。それに、百科事典に限らず、全集などがずいぶんと出ていましたね。そういうものをリビングにあつら えた書棚にでーんと並べる、それがステイタスだったような時期が確かに存在しました。そういえば、スライド式本箱っていうのも、このころから売り出された と思います。
そういう古き良き時代を、あまりにも長々と引きずってきてしまったのが出版界なんじゃないかと思います。じゃあ、どうすればいいの? と言われても 打開策なんてないんですけど......。あたしのこんなブログも含め、一億総「物書き」時代になり、ホームページという<出版ツール>が誰にでも使えるように なったわけです。もはや、出版という文化事業は出版社がやるもの、という常識は通じませんよね。
それにしても、団塊世代の退場なんて騒いでいますけど、政治の世界にはいつになったら定年が作られるのでしょう。民主党の新代表はかなり若いです が、全体的に見ると、企業を定年で退いたようなおじいちゃんたちの集まりって感じがするのが政治の世界ですよね。国会議員はそれなりに若返ってきてますけ ど、大臣なんかを見るとそれこそ「耄碌大臣」じゃないでしょうか?
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