上のトップ画像は北京五輪2年前ほどの北京・東単交差点だったと思います。バック画像は西安の兵馬俑博物館に展示されていた武俑です。

2005年9月18日

中秋と仲秋

確認してませんが、今宵は月が出ているのでしょうか?

天気予報などでも朝から言ってましたが、今日は「中秋の名月」ですね。「ちゅうしゅう」には「中秋」と「仲秋」の二通りの書き方があるけど、どっちが正しいのでしょう、なんてテレビでもやってました。

正解は「ちゅうしゅうの名月」なら「中秋」です。旧暦では7月、8月、9月の三ヶ月が秋で、その真ん真ん中の8月15日が秋の真ん中であるということで、「中秋」と書くのだそうな......。

という天気予報の解説を聞いていると、「じゃあ、仲秋は?」と思います。これは「秋の三ヶ月のうち、8月を仲秋と言ったので、8月のことを指します」と説明してました。

ここまでは、知ってる人は知っている雑学ですね。さて、後段の8月は仲秋ですが、これは中国哲学が専門のあたしとしてはもう少し説明しないとなりませんね。

旧暦では(と言うよりは、古代中国には新暦なんかないのですけど......汗)、1月から3月を春、4月から6月を夏、7月から9月を秋、10月から12 月を冬と呼びます。でも、古典を読んでますと、時令を述べる時には「○月」という言い方はあまりせず、季節を中心にした言い方を使ってます。その一つが 「仲秋」です。

つまり「仲」は二番目の季節という意味です。

それじゃ、一番目は?

「孟」と言います。聞かれる前に言ってしまうと、三番目は「季」です。これを四季に当てはめ、孟春・仲春・季春、孟夏・仲夏・季夏、孟秋・仲秋・季秋、孟冬・仲冬・季冬という言うのです。

中国の古典、例えば『呂氏春秋』などには、この各月ごとの行なうべき事や守るべき規範を説いた篇がありますが、そういう場合にはこの言い方を使っています。

ちなみに一番目は「孟」と言いましたが、このような順番を示す漢字は、中国人の名前の字(あざな)を付ける時にも使います。長男は「伯」(「孟」は 側室生まれの長男の場合)、次男が「仲」、三男が「叔」、最後が「季」です。男子が6人、7人もいたらどうするのかは知りませんが、原則はこういう感じで す。

なので、次男であった孔子は字が「仲尼(ちゅうじ)」と言いました。この兄弟の順番、「伯仲する」といった言葉にも残っていますし、おじさんを「伯父・伯父」、おばさんを「伯母・叔母」と書き分けたりする場合に、その名残がありますね。

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