上のトップ画像は北京五輪2年前ほどの北京・東単交差点だったと思います。バック画像は西安の兵馬俑博物館に展示されていた武俑です。

2005年8月19日

ユージニア

ユージニア』読了。

章ごとに、主人公というか語り手が変わるスタイルに、最初は馴染めませんでしたが、三章目くらいからはすんなりと入っていけたのは、やはり恩田陸さんの筆力なのでしょうか。

一種のミステリー、謎解きというのかもしれませんが、なんとなく昔を引きずっている、忘れられない過去がある、といった全体の流れが、甘酸っぱい青春ドラマを見ているような気持ちにさせられました。

で、肝心の殺人事件の真相は(?)、という感じなんですが、案外、実際にこの世の中で起こっている事件の数々って、こんな風なものなのではないで しょうか。きちんと起承転結があって、いかにも二時間ドラマのように、あるいは刑事ドラマのように、それなりに犯人や被害者にもドラマがあって、劇的なク ライマックスが用意されている、なんてことはあるはずもなく、実は誰にとっても腑に落ちない部分を残したまま、時が流れ、なんとなく忘れ去られていくもの なのではないでしょうか。

読後には、そんな感想を持ちました。

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