上のトップ画像は北京五輪2年前ほどの北京・東単交差点だったと思います。バック画像は西安の兵馬俑博物館に展示されていた武俑です。

2005年8月27日

その差が大きい!

この10月で、あたしが編集部から営業部に飛ばされて丸2年になります。幸いにも、担当している地区の書店員さんはよい方ばかりで、楽しく仕事をし てきました。営業マンとしての技能が少しも上がらないのは如何ともしがたいですが、こういうマイナス要素はすべて「出版不況」のせいに致しましょう。なに せ給料が上がらないのを労使断交で経営者側に詰め寄っても、「出版不況」のせいにされてしまうご時世ですから(笑)。

で、最近感じますのは、編集部と営業部の意識の差です。あたしの場合、上述の経歴上、編集部側の立場も営業部側の立場もわかるのです。否、わかるというよりも中途半端に理解したつもりになっている、と言った方が正しいかもしれません。

例えば、ある書籍の企画で編集部は初版5000部を主張し、営業部は3000部を主張して意見が割れたとします(←数字が、やけにリアル......^^;;)。

編集部の意見はだいたい「営業がもっとこまめに営業販促をすれば、十分あと2000部の上乗せができる」というのに集約されます。

対する営業部は「その本だけを売っているわけではない。それだけの手間をかけたからといって2000部の上積みができるとは思」といったものです。

これ、どちらも正しいんですよね。うちくらいの出版社ですと、この初版部数の差っていうのは定価に響きます。200円から300円は変わってくるんじゃないでしょうか。これは大きいです。読者ターゲットも変わってしまいます。

まず、営業部の販促が十全でないという編集部の意見はわかります。でも、営業部だって別に手抜きをしているつもりはありません。廃業する本屋が多い とはいえ、小さな小さな本屋まで回るような人員も時間もありません。どうしても比較的大きな書店を中心に回らざるを得ません。ふだん回れないような小さい 書店にも顔を出して本を置いてもらうことも、ある程度は可能ですが、果たして、それだけやって結果が出るのか。

そういう風にやらない前から諦めているから、売れるものも売れないんだ、と編集部は主張するでしょう。そうなると営業部も「だったら、もっと売れる 本を作れ!」となってしまいます。まさに売り言葉に買い言葉、決して埋まることのない溝、マリアナ海溝よりも深そうです(爆)。

編集部の人が(しばしば著者も)必ず言うのが、「うちの近所の本屋には置いてなかったけど、営業はちゃんと書店回りしてるのか」という点です。(こういう意見に効果的な反論はないものでしょうか? 募集中!)

こういう意見、あたしは自分が編集部にいた時に営業部に対して言ったことはないですし、思ったこともありません。せいぜい「著者の方の自宅の周囲の比較的大型書店にはちゃんと配本してね」という程度です。

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