配本がおかしい
先月刊行された『澁澤龍彦との日々』がよく売れています。
出てから一週間くらいは、あまりパッとしなかったのですが、二週目くらいから火がつき、電話注文や追加注文が増え、重版も出来てきたところです。
ところでこの本、あたしは売れるかどうか微妙だと感じていました。社内には「澁澤は売れる!」と、かなり強気の人もいましたが、お店によってかなり違うんだろうな、というのがあたしの印象で、このあたり個人個人(←あたしの勤務先の人間の)の読書傾向にもよるようです。
いずれにせよ社内的には、一定の読者はいるだろうけど、さらなる広がりが読めないという感じで、それほど配本も増やしたわけではありませんでした。
ところが今回は、ふだんは新刊の指定などしないような書店までがこの本を指定したらしく、そのあおりを食って、パターンで配本されているお店で、軒 並み配本がいつもの文芸書に比べ少ないという事態が起こりました。いつもなら20冊は入るところ5冊だったとか、5冊入るところ1冊だったとか、ひどいと ころでは配本がなかったなんてこともあったようです。
もちろん「きちんと指定かければいいじゃん」と冷たく言うこともできますが、こちらもちょっと見込みが甘かったというか、フォローが足りなかったと いうか、反省することしきりです。でも、こういう風によく売れる本が滅多にないので、そういう時のノウハウがあまり蓄積されていないのよね......(涙)。
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