夜のピクニック
恩田陸『夜のピクニック』読了。
高校生活最後の行事「歩行祭」、その一晩の出来事を書いただけの小説なんですが、高校時代が懐かしく思い起こされます。恐らくこの歩行祭、恩田さん (あるいは知り合い)の母校で実際に行なわれている行事なんではないでしょうか。生徒たちのある種の高揚感というのは、修学旅行で布団に入ってから話すた わいもない恋愛談義・人生論に通じていますね。でも一般の修学旅行と異なって、この歩行祭はひたすら一晩歩き続けるという肉体的な極限状態がそこにプラス されるので、更に強烈なものになっているのだと思います。
好きだ、嫌いだ、惚れた、別れたなんてのは高校生活の常ですが、あまり縁のなかったあたしでも、この小説を読むとやはり懐かしく切ない感慨を催しま す。話の中に、他校の女子生徒の妊娠騒ぎが挟まれています。この女子生徒は、クラスメートのいとこにあたるわけで、妊娠させたのがクラスメートの誰からし いという、この手の小説にありがちなパターンですが、結局この話、何らかの伏線として後半できいてくるのかな、と思ってましたが、なんの盛り上がりもなく 終わってしまいました。そこがちょっと残念といえば残念な点です。あたしの高校時代の実録(?)はこんな感じでした。
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