反日運動の行く末
この土日に大阪へ出張へ行ったことは既に書きましたが、出張先であったのが中国語の先生ばかりでしたので、やはり、このところの中国の反日デモことにも話が及ぶことがありました。
中国政府にとって、国内の大使館・領事館が暴徒に襲われガラスを割られるなどの被害が出たということは、日本に対してこそ歴史認識がどうだこうだと 言えたとしても、国際社会に対しては思いっきりメンツを潰してしまう事態だったと思います。なので、先週末についてはかなり厳重に取り締まり、その効果も 出たようです。
でも、取り締まろうと思えば取り締まれるというところは中国らしいです。それに土日にしかデモが行なわれないというのも、参加している中国人にとっては、なんだか週末の娯楽・レクリエーション的な気がしないでもありません。
それはそうと、あたしは個人的には今回の中国の反日行動やそれに対する日本人の反発というのが、意外とよいことではないかと思っています。
これまで日本と中国は本当に本音でぶつかったことがあるのでしょうか。例えば日中戦争の場合、日本は欧米に侵略されて苦しんでいる中国を救う、なん てきれいごとを述べていましたが、その美辞麗句に惑わされた日本人一般には中国と戦争をしているという意識がどこまで浸透していたのかと思うのです。中国 にしても、国民党と共産党が争っていて、日本と闘っているのか国共が争っているのか、どっちが主なのかわかりにくいところがあったのではないかと思いま す。
また戦後になると、国交回復以来、誰も彼もが「日中友好」というお題目を唱え、何をするにもまずは「日中友好」ありきでした。
ですから、実は日本人の中にも中国人の中にも、ある種のマグマのようなものが溜っていた面があったのではないかと思うのです。それが今回の騒動で吹 き出したのであるなら、お互いこの際だから言いたいことを言い合って、気持ちをすっきりさせ、その上で未来に向かおうというのも、決して悪くはないんじゃ ないかと思うのです。
こんなことを書くと誤解されそうですが、いつまでも「日中友好」のお題目だけ唱えていればよいという時代・関係は、とうに過ぎ去っていると思います。
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