上のトップ画像は北京五輪2年前ほどの北京・東単交差点だったと思います。バック画像は西安の兵馬俑博物館に展示されていた武俑です。

2005年4月 4日

中国の反日行動に思ふ

このところ、中国で反日行動が続いているようです。(ひとまず韓国はおいといて...)

あたしは知るわけもありませんが、「日貨排斥」なんて言葉を聞くと、戦前の二十一箇条要求の頃、つまり五四運動なんかの状況をイメージしてしまいます。

このような反日運動が起こると、昨今の日本の新聞・雑誌などは、逆に中国を非難するような論調があるような気がしてなりません。もちろん、共産党一 党独裁の下、言論の自由や知る権利が制限され、誤った日本のイメージが一人歩きしている部分はあると思いますし、江沢民以来の反日的教育の影響というのも それなりに正しいことだと思います。

でも、中国との友好を考えるのであれば、まずは「なんで中国の人が怒っているのか」ということを真摯に考えるべきではないかと思うのです。それなのに「中国はけしからん」という感情がまず先に立っているようでは、腹を割った話し合いはできません。

日本の識者の中には、上に挙げたような中国の非民主的なところを指摘する人もいますが、中国という国の置かれた歴史(特に近代史)や現状を考えた 時、今すぐ欧米のような社会が実現するのがよいことか、あたしは些か疑問に思います。毛沢東は後半生暴君だったというのは簡単ですが、それでも中国の歴 史・社会が毛沢東という個性を必要とした、その理由も併せて考えてみるべきだと思うのです。

あたしは、いたずらに中国を非難するつもりはありませんが、だからといって全面的に中国を支持し礼賛するつもりもありません。一部の日本人と中国人の間では、日中の立場の違いもふまえて本音で語り合えるような友好的なつながりが生まれているのも事実です。

でも、情けないことに昨今の現状に対し、有効な対策を思いつきません。数年前になくなったあたしの恩師がしばしば酒の席で「おまえたちは決して中国 と戦争をするな」とおっしゃり、また中国から来ていた留学生には「親日家にならなくてもよいから、知日家になれ」とおっしゃっていたのを思い出します。亡 き恩師が存命なら、昨今の状況にどのような感想を漏らすか、それを想像して自分の行動の指針とするしかない不甲斐ない自分に情けなくなります。

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