感じない男
ちくま新書の『感じない男』読了。
著者・森岡氏みずからの体験をもとに、できるだけ「私」、つまり森岡氏自身の言葉で語りかける文章が話題のようです。確かに、医学的・精神分析学的 な専門書では、この手の内容を扱った本ってあるのでしょうが、一般向けの本としては珍しいですね。あったとしても俗っぽい、それこそオタク的な本になって しまいそうです。
<感じない男>なんていう極めてキャッチーなタイトルですが、扱っている内容は大まじめなものです。著者みずからが言うように、読者によっては同意できない部分、理解できない部分というのも多分にありそうです。(あたしは特に違和感も不快感も持たずに読めましたが......)
例えば、自分の体を汚いと思い、少女の体を求めてしまうという<感じない男>の心理が言及され、感じない男たちは、自分は少女、あるいは女性の体が 欲しかったのだと思うという箇所がありましたが、あたしなどは女っぽいのはもう十分、こんどこそ男らしい男に生まれたいとしばしば考えていますから、さし ずめ「感じる男」にカウントされるのでしょうか(笑)。
ロリコン男性は大人の女性との正常な関係を築けない、といった言説もよく耳にしますが、あたしなどは女性のみならず、人間一般と正常な大人の関係が築けませんので、これも著者が同書で主題としている<感じない男>とは別物のようです。
この本を読んで、あたしってやっぱりごく普通の人なんだ、という感慨を新たにしましたが、森岡氏がこの種の問題は各人がそれぞれ自分なりに考えてもらいたいと書いてくれていますので、こうやって考えることはよいことなのだ、と自分を納得させています。
やはり女性にも読んでもらいたい、そして本書について男女一緒に更に議論を深めてみたら楽しくなりそう(ふざけた意味ではなく!)な本多と思います。それにしても、今日一日、営業回りの移動の電車の中で読み切ってしまった。
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