上のトップ画像は北京五輪2年前ほどの北京・東単交差点だったと思います。バック画像は西安の兵馬俑博物館に展示されていた武俑です。

2005年2月11日

天使と悪魔

天使と悪魔(上)』『天使と悪魔(下)』読了。

先に、この本の第二段となる『ダ・ヴィンチ・コード』を読んでいたのですが、どっちの方がおもしろいかと言われれば、断然こちらです。オープニング などの基本的な枠組みはどちらの作品も同じですが、最後までのスピード感が、こちらの方がよくできていると感じます。ただ、スピード感と言うとちょっと違 和感があります。むしろ同じリズムで最後まで引っ張ってくれるという<スピードの持続力>が、こちらの作品の方が上だと思います。『ダ・ヴィンチ・コー ド』は後半でちょっと飽きが来ましたから。

ただ、この作品もキリスト教がベースなので、日本人(キリシタンではない日本人)にはちょっと切実感というか、緊迫感というか、そういったものがや や感じにくいところもあります。オーメンとかエクソシストとか、そういった「神VS悪魔」といったホラー映画なんかが、日本人には理解しがたい部分を抱え ているのと同じです。

それはさておき『天使と悪魔』、上下分厚い二冊本ですが、描かれている時間は約一日の出来事です。一晩と言ってもいいかもしれません。でも、決して無駄な描写でページ数を稼いでいるなんてところはなく、グイグイ引き込まれます。

この手の本の常として、黒幕と殺人実行犯は別に存在するわけですが、この実行犯の人物像が、犯した殺人に比べ、平凡というか、今一つ冴えないので、ちょっと残念でした。

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