春を感じる時
友人の日記に「今日はおかしな人の相手ばかりしていた」という旨の記述があったので、ふと思い出しました。
あたしの勤務先にも春先になると、おかしな人からの電話が多くなります。言葉が悪いですが、狂ってるとしか言いようのない人からの電話も多いです。
数年前のことですが、何度説明しても理解してもらえず、30分もするとまたかけてくる人がいました。もう部内の全員、電話が鳴ると「あ、あの人だ」 と感じて、誰も電話に出ようとしません。でも大切な仕事の電話かもしれませんから、やはり数回コールすると誰かしら受話器を取ります。
案の定、例の人からだと周囲では「ああ、今度は○○さんが餌食だ」という声が聞こえます。結局この人、およそ一週間ほど、わが部を引っかき回してくれました。
先輩社員の人に聞くと、毎年春先になるとかけてくる人がいるようです。やはり何年か前の話ですが、社内でそういう人の話を聞いていたら、その先輩社 員が「そういえば、あの人今年はかかってこないなあ。どうしたんだろう。だいぶ歳みたいだったから、亡くなったのかも」なんて心配してました。もうここま でくるとある種「歳時記」と化しているわけですね。
でも、いずれにせよ、これらはすべて電話なので、いざとなれば切ってしまえば済むわけですから、まだ楽です。ところが、二年ほど前ですが、会社に直 接本を買いに北方がいらっしゃいました。見た目は完全に「や」系の人です。それこそ「よー、兄ちゃん」とあたしに呼びかけてきそうな感じの人です。
その人、本屋を探しても置いてなかったから直接買いに来たということでしたが、お買い求めになったのはポーランド語の参考書や辞典でした。あまりの ミスマッチに驚きましたが、その刹那、ポーランド→東ヨーロッパ→拳銃・麻薬の密輸(?)なんて連想が頭の中を駆けめぐりました。
「いい本、出してるよな」なんて褒め言葉を置きみやげに、これまたとんでもなくでかいエンジン音を出すスポーツカーで、会社の前から急発進していきました。
もう少し暖かくなると、こういった方が増えてくるのですが、そういうところに春を感じるあたしって、なんだか哀しいものを感じます。
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