『ダンテ・クラブ』読了
正月明けから読み始めた『ダンテ・クラブ』をようやく読み終わりました。
ロングフェローを中心とするダンテ『神曲』読書クラブの面々が、ボストンで起きた連続殺人事件が『神曲』の記述に従って行なわれているということに気づき、その犯人捜しをするというのが本当に大雑把なあらすじですが、なかなか面白い本でした。
ただ、最初の5分の1くらいでしょうか、クラブの面々が殺人事件と『神曲』との関連に気づくまでの記述は非常に退屈です。その後が、ぐいぐい引っ 張っていくような記述なので、本当にこれって同じ人の筆なの? と思ってしまいます。ですので、その部分まで読み進めずに挫折してしまう人も多いのではな いかと思います。個人的には最後にさらにもう一つ、大どんでん返しがほしいところですが、それは無理な要求でしょうか。
上述したように途中からは非常に読みやすい文章なのですが、時折きわめて映像的な記述が見られます。映像的と言ったのは、著者がこの作品の映画化を 目論んでいるのではないかと思えるような部分があるということ、つまり映像だったらより効果的に表現されるのではないかな、と感じられる部分が挿入されて いるということです。クラブの面々をどんな俳優が演じるか、そんなことを想像しながら途中からは読んでいました(あまり欧米の役者を知らないので、具体的 に誰とは言えませんが...汗)。
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