こんな書店もあるのね......
あたしは、書店営業をしているのに、実は書店の動向とか、よく知りません。否、出版界のこともよくわかっていないと思います。だから、会社の会議で 古参の人が「そんなことはできない」というと非常に不思議に思うことがしばしばです。これまでの慣行のよい部分というのも確かにあるのでしょうが、他の業 種から見ると、どうみてもおかしいと思えるような部分が多々あるのが出版界だと思います。と言っても、あたしは出版社以外に勤務したことがないので、実は 各業種、各分野それぞれにおかしな慣行、いわゆる宿痾というのはあるのでしょうけど。
さて、そういう訳なので、既に同様の取り組みをしている書店もあるのではないかと思うので、そういう方には大変失礼な発言ですが、最近読んだ『中国語はおもしろい』(新井一二三/講談社現代新書)の中にこんな記事がありました。
そして、巷の大衆向け書店とは一線を画すように、誠品書店は読書人向けの大判月刊誌「誠品好読」も出している。ページを開くと、 地元の話題ももちろんあるが、他の華人社会を始めとする世界各地の出版動向などに、少なからぬ紙幅がさかれている。世界は今何を読んでいるかに強い関心を 持ち、同じものを読もうとする層がはっきり存在するのだ。こうした情報を日本の書店が積極的に発信している話を聞かないのはどうしたわけだろうか。
以上は、台湾にある書店(誠品書店)について語ったものです。いま、あたしたち読者は、世界中の本を手に入れようと思えばインターネットで手に入りますし、その気になってインターネットで調べれば、同等レベルの情報も入手できるのでしょうけど、やはり自分でやるのって大変ですよね。
こういったもので思い浮かぶのは、あたしの専門から言えば、東方書店や内山書店が毎月出している中国書籍(大陸・台湾・香港、洋書も若干)の情報誌です。懐具合が悪いので、欲しい本全部は買えませんが、こういった目録って見ているだけでも楽しいですね。
ところで、あたしの勤務先は多くの翻訳書を出してますけど、その著者の他の作品にどんなのがあるのか、ってことも情報として自社のサイトで発信した らどうかと思います。既に日本の他社から邦訳が出ているものもあるでしょうし、出ていないもの(出る見込みのないもの?)もあるでしょう。でも、そういう のがリストアップされているだけでも、研究者(特に大学で論文を書かないといけない学年の学生!)には重宝されると思うのですけど。
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