上のトップ画像は北京五輪2年前ほどの北京・東単交差点だったと思います。バック画像は西安の兵馬俑博物館に展示されていた武俑です。

2005年1月22日

今年は90周年なので...

今年は、私の勤務先<白水社>が創業90周年です。なので、秋には何点かの記念出版も計画されております。ただ、今年はうちだけではなく、多くの出版社が創業60周年だとか、50周年だとかいう節目の年に当たっているようなので、どこまで<うちらしさ>を出せるのか...。

記念出版を秋に予定しているというのは、読書の秋というくらいなので、どこの出版社も同じでしょう。そうなると、秋にはどの書店でも「○○出版社創 業××周年フェア」が開かれることになります。大きなフロア面積を誇る書店なら、複数のフェアをやるだけのスペースがあるでしょうが、そうでないところだ と、フェアの時期が重なっちゃいますよね。それに書店だって、大きなフェアを同時にやるのはメリット・デメリットを勘案すると、微妙なのではないかと思い ます。フェアの開催期間をずらせるものなら、ずらしてあげたいところですが、記念出版物の刊行時期もありますし、難しいところです。

そうなると、私個人的には記念出版に頼らないフェアというものを考えないといけないと思っています。例えば、どの出版社も品切・絶版本というのがあ りますが、倉庫などを探せば数冊くらい見つかるのではないかと思います。(←最近は在庫管理がきちんとしてる出版社が多いから、無いものはいくら探しても 無いのかしら?) そういった本をこの時とばかり並べるなんて面白いのではないかと思います。<B本>は通常の流通ルートには乗りませんが、書店と条件を 詰めれば、そういったものの割引販売なんて出来ないものでしょうかね。

あと、売るだけが能ではないと思います。せっかく90年という歴史があるのですから、古い出版物を展示(あくまで展示、触るくらいは可能にしたいで す)するというのも可能だと思います。古い出版物、実は戦争や社屋の引っ越しなどがあったりして、あまり残っていないのですが、もう辞めた人や、これまで 付き合いのある著者などに声をかければ、いくらかは集まるのではないでしょうか。出版物だけでなく、生原稿なんかも面白いと思いますが。

例:
○「ライ麦畑で捕まえて」野崎訳の初版本
○高野史子さんが言うところの「チボー家のジャック」の黄色い本
○澁澤龍彦の原稿
○数十年前の雑誌「ふらんす」

その他、90年間の<総出版目録>なんて作ったら、案外マニアが買い求めるのではないかと思うのですけど。(かつて岩波や新潮がそんなものを作っていたと記憶しています)

また90周年記念企画として、この20年くらいの刊行物(あまり古いとデータがないので、経費がかかりすぎる、と予想されるので)の中から、復刊希 望を広く読者に募り、90周年の今年は無理でも、来年か再来年には刊行する(リクエスト復刊なんて言っても、本当に読者からアンケートを募ってやっている 出版社は少ないはず!)っていうのも、やってみたい企画の一つです。

どれも個人的には実現が難しいとは思えないんですが、この業界、やたらと「それはできない、無理」というのが多くて困ります。他の業界ならとっくにやってることなのに、全然出来てないものも多いですし。

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